仲原遺跡

仲原遺跡：縄文時代の息吹を感じる場所

沖縄県うるま市伊計島に位置する仲原遺跡は、縄文時代晩期の集落跡として知られています。1986年に国の史跡に指定され、その歴史的価値は高く評価されています。

発見の経緯と遺跡の特徴

仲原遺跡は、サトウキビ畑の土地改良事業に伴う事前調査で偶然発見されました。発掘調査の結果、23棟もの竪穴建物跡が見つかり、当時の集落の様子を垣間見ることができます。

竪穴建物は、地面を隅丸方形に掘り下げ、琉球石灰岩の石垣を壁として組み上げた構造をしています。その上に屋根が葺かれていたと考えられています。建物の大きさは様々で、直径5-6メートル程度の大型のものと、2-3メートル程度の小型のものがあります。大型の建物は母屋として使われ、その周囲に小型の建物が配置されていたと推測されています。

復元集落と活用

仲原遺跡は、沖縄県初の復元集落遺跡として整備され、観光地としても親しまれています。復元にあたっては、ヤラブ、竹、チガヤなどの自然素材が用いられ、当時の建物を忠実に再現しています。アダンの根で作られた縄も使用されており、細部にまでこだわりが感じられます。

出土遺物

仲原遺跡からは、土器や石器などの様々な遺物が出土しています。

土器: 仲原式土器（深鉢尖底型、壺型）などが出土しており、当時の土器文化を知ることができます。
石器: 石斧や磨石など、当時の生活で使用されていた石器類が出土しています。

その他にも、人骨、魚骨、獣骨、貝製品（イモガイ小玉）などが出土しており、当時の食生活や文化を知る上で貴重な資料となっています。

歴史

1978年 - 沖縄大学沖縄学生文化協会によって発見
1986年 - 国の史跡に指定

仲原遺跡は、縄文時代の沖縄における人々の生活や文化を今に伝える貴重な遺跡です。遺跡を訪れることで、古代の人々の暮らしに思いを馳せ、歴史のロマンを感じることができるでしょう。

関連情報

所在地: 沖縄県うるま市与那城伊計
外部リンク:
国指定文化財等データベース
仲原遺跡（国指定史跡 仲原遺跡） - うるま市教育委員会

参考文献
* 知念勇『伊計島の遺跡』（1987年）、沖縄県立博物館総合調査報告書IV-伊計島-

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