任田新治

任田新治（とうだ しんじ）

任田新治は、1909年5月19日に石川県金沢市に生まれ、1970年12月16日に61歳で亡くなった日本の農林官僚兼政治家です。彼は参議院議員を1期務め、金沢工業大学で教授としても活躍しました。以下に、彼の経歴や主な業績について詳しく見ていきましょう。

経歴

任田は瓢箪町小学校を経て、旧制石川県立金沢第三中学校、旧制第四高等学校を卒業。その後、東京帝国大学農学部に進学し、1934年に卒業しました。この時期、満州国への移民が盛んに呼びかけられていたため、彼もその流れに乗り、満州へ向かいました。現地では開拓地の建設や土地改良、農業土木事業に従事しましたが、終戦を迎えると家族と共にソビエト連邦に抑留されるという運命を辿りました。

1946年に日本へ引き揚げた後、任田は農林省に入省します。彼は金沢農地事務局課長や奈良県農地部長を歴任した後、1955年に農林省本省に戻ります。1963年には北陸農政局の局長に就任し、その後も多くの行政職を歴任しました。

1965年、任田は第7回参議院議員通常選挙において石川県選挙区から自由民主党の候補として出馬し、見事に初当選を果たしました。彼は1969年2月7日に参議院農林水産委員長に就任し、議会内で農業政策に関する重要な役割を果たしました。彼の生涯は短く、1970年に現職のまま死去しましたが、その功績は後に評価され、死後に勲三等旭日中綬章が追贈され、正四位に叙されました。

その他の活動

任田は全国兼石川県土地改良事業団体連合会の顧問や、奥能登農地開発促進協議会の副会長、石川県農林統計協会の会長など、多岐にわたる役職を歴任しました。これらの活動を通じて、彼は農業における政策提言や土地改良の推進に寄与しました。

著書

また、任田新治は著書も残しており、特に以下の2冊が知られています：

• - 『農地・農業施設災害復旧制度の解説』 (1959年、地球出版)
• - 『意到筆随』 (1964年、公共事業通信社)

これらの著作は彼の専門知識や経験を元にしたものであり、農業や公共事業に関連する重要な参考資料として評価されています。

まとめ

任田新治の生涯は、農林官僚としての活動と政治家としての貢献が融合したものでした。彼の政策への影響は今なお感じられ、農業界における多くの後継者たちにとって大きな先例となっています。彼の足跡は、日本の農業と土地改良事業の発展に寄与した重要な歴史の一部として位置づけられています。

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