伊勢市立厚生中学校

伊勢市立厚生中学校（いせしりつこうせいちゅうがっこう）は、三重県伊勢市一之木五丁目に所在する公立中学校です。地域では「厚中（こうちゅう）」という愛称で広く親しまれています。現在の生徒数は概ね400名程度で推移しており、活気ある学校生活が営まれています。

本校の教育活動における大きな特色の一つとして、体育教育への注力が挙げられます。特に、毎年秋に開催される体育祭では、全校生徒が一体となって取り組む大規模なマスゲームが恒例となっています。このマスゲームは長年にわたる本校の伝統であり、生徒たちの協調性や表現力を育む貴重な機会となっています。

過去には、生徒の頭髪に関する特定の校則が存在しました。具体的には、男子生徒は坊主頭、女子生徒はおかっぱ頭が義務付けられていましたが、時代と共にこれらの規定は見直され、現在では廃止されています。また、少し遡る2008年度の卒業生男子には、体育の授業において年間を通じて半袖の服装を基本とする、ほぼ規則に近い慣習があったことも記録されています。

沿革

伊勢市立厚生中学校の歴史は、日本の教育制度が大きく変わった戦後の学制改革期に始まります。1947年（昭和22年）、学制改革によって新制中学校が全国に発足した際、当時の宇治山田市（現在の伊勢市）には5校の市立中学校が新設されました。そのうちの一つが「第三中学校」として開校したのが本校の起源です。

開校当初は、現在の三重県立宇治山田商業高等学校にあたる市立女子商業の校舎の一部を間借りして授業が行われていました。その後、学校の独立した拠点を持つべく移転が計画され、1948年（昭和23年）9月には現在の校名である「厚生中学校」に改称されました。

改称から間もない1948年（昭和23年）11月には、当時の伊勢市一志久保町（現在は伊勢市一志町）にあった旧近畿日本鉄道大神宮前駅の跡地へ校舎を移転しました。この場所で一定期間の教育活動を行った後、さらなる移転を経て、現在の伊勢市一之木五丁目の地に落ち着き、今日の学校の基礎が築かれました。

比較的新しい出来事としては、施設の老朽化に伴う校舎の建て替えが行われ、2010年（平成22年）10月1日に新しい校舎が完成し、供用が開始されました。これにより、生徒たちはより安全で快適な学習環境の下で学校生活を送ることができるようになっています。

アクセスと周辺環境

本校は、公共交通機関を利用したアクセスが非常に便利な立地にあります。JR東海および近畿日本鉄道の伊勢市駅からは徒歩でおよそ10分圏内と、生徒の通学や保護者の来校にとって利便性の高い場所です。

学校周辺には、生活に必要な施設や商業施設が複数あります。大型商業施設であるミタス伊勢は徒歩圏内にあり、買い物などに便利です。また、地域医療の中心を担う伊勢赤十字病院も近くに位置しており、安心して学校生活を送れる環境が整っています。さらに、古くから地域を見守る船江上社や河原淵神社といった神社も近隣にあり、歴史と文化を感じさせる落ち着いた雰囲気も併せ持っています。

著名な卒業生

伊勢市立厚生中学校からは、各界で活躍する多くの著名人が巣立っています。主な卒業生は以下の通りです。

楠田枝里子（くすだえりこ）: フリーアナウンサー、司会者、タレントとして幅広く活躍されています。
木原文人（きはらふみと）: フリーアナウンサーとして活動されています。
野口みずき（のぐちみずき）: 元陸上競技選手。特にマラソンで顕著な成績を残し、2004年のアテネオリンピック女子マラソンでは金メダルを獲得した輝かしい実績を持ちます。
寺田光輝（てらだみつてる）: プロ野球選手として、横浜DeNAベイスターズに所属しています。

これらの卒業生の活躍は、在校生にとって大きな目標であり、励みとなっています。

伊勢市立厚生中学校