伊号第三百五十二潜水艦

伊号第三百五十二潜水艦

伊号第三百五十二潜水艦（いごうだいさんびゃくごじゅうにせんすいかん）は、日本海軍における未成の潜水艦です。この艦は、伊三百五十一型潜水艦の2番艦として位置づけられ、建造中に不幸にも沈没する運命を辿りました。

船の設計と建造

1943年、マル追計画に基づき、潜水艦補の第655号艦型の2番艦としてこの艦の計画が始まりました。起工日は1943年11月8日で、呉海軍工廠にて建造作業が進められました。

1944年4月5日、艦名が伊号第三百五十二潜水艦に決定され、本籍は呉鎮守府に定められました。この艦は、伊三百五十一型潜水艦の2番艦とされ、23日には無事進水を果たしました。この時点で、艦の設計もほぼ完了し、90%の工事進捗率を達成した状態でした。

艤装と沈没

1945年4月24日、艤装員事務所が設置され、正式な艤装作業が開始されましたが、戦況は厳しく、この艦も運命の坩堆に足を踏み入れます。同年6月22日、呉海軍工廠正面の突堤に繋留されていた伊号第三百五十二潜水艦は、アメリカ軍のB-29爆撃機による攻撃を受け、他の艦艇と共に被爆、沈没しました。この攻撃により、艦は未完成の状態でその活動を停止しました。

当時の工事進捗率が約90%であったことからも、既に充分な準備が整っていたことが伺えます。その後、1945年8月17日には艦の工事が正式に中止されました。

解体処理

1948年1月22日、伊号第三百五十二潜水艦は解体のために浮揚され、播磨造船所呉船渠へ移送されました。解体作業は同年1月27日から始まり、3月31日まで継続して行われました。このようにして、艦は歴史にその名を刻むこととなりましたが、未完成の艦として消えゆく運命にあったのです。

艦の艤装員長

艦の艤装員长は、荒木浅吉少佐が1945年6月8日から8月9日までの間担当していました。彼の指導の下で艦の艤装が進められるべきだったものの、戦局の影響を受け、艦の運命は大きく変わることとなりました。

結論

伊号第三百五十二潜水艦の建造とその後の歴史は、戦争の激化と不確定性がもたらす悲劇の一例です。未完成のまま沈没したこの艦は、戦争がもたらした多くの教訓を私たちに伝えているといえるでしょう。

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