伊号第二百三潜水艦

伊号第二百三潜水艦

伊号第二百三潜水艦（いごうだいにひゃくさんせんすいかん）は、日本海軍の潜水艦であり、伊二百一型潜水艦の3番艦として位置付けられています。第二次世界大戦の末期に竣工しましたが、実戦には参加せず、訓練を主な任務としていました。戦後はアメリカに引き渡され、その運命を終えました。

艦歴

この潜水艦は、マル戦計画に基づく艦艇の一環として設計され、仮称艦名は第4503号艦として設定されました。1944年6月1日に呉海軍工廠で起工された後、同年8月25日に伊号第二百三潜水艦と命名され、伊二百一型潜水艦の3番艦として本籍が呉鎮守府に割り当てられました。

進水は1944年10月20日に行われ、その後艤装員事務所が設置されました。艤装工事は1945年6月25日に完了し、その日から第六艦隊第十一潜水戦隊に編入されました。訓練は主に伊予灘で行われ、同年6月29日には健康問題のため呉に戻った後、再度訓練に入ったものの、終戦時には内海西部に位置していました。

戦後の運命

1945年11月30日には海軍省の廃止に伴い除籍されました。1946年1月12日、伊号第二百三潜水艦はハワイへ向けて佐世保を出港しました。ハワイではアメリカ海軍による調査を受けた後、調査が終わった時点で海没処分されました。

潜水艦長

艦を統括した艤装員長は上杉一秋少佐で、1945年1月5日から6月25日まで在任しました。その後、潜水艦長にも同じく上杉一秋少佐が就任し、1945年6月25日から11月25日までその職を全うしました。

注釈と出典

この潜水艦に関する情報は、日本海軍艦艇の戦歴や設計に関する文献を基にまとめられています。特に海軍省や第二復員省の公文書、さらには戦史叢書や関連の書籍からの引⽤が多く含まれています。具体的な出典には昭和19年や昭和20年に発行された各種内令や公報、および戦時日誌が含まれています。

伊号第二百三潜水艦は、日本海軍の一時代を象徴する艦艇のひとつであり、潜水艦の設計技術や運用実績を考え直すための貴重な情報源とされています。

もう一度検索