伊号第二百八潜水艦

伊号第二百八潜水艦

伊号第二百八潜水艦（いごうだいにひゃくはちせんすいかん）は、日本海軍が計画したものの未成となった潜水艦です。この艦艇は、伊二百一型潜水艦の8番艦としての位置づけがありましたが、太平洋戦争後に解体される運命を辿りました。

艦の歴史

この艦の構想は「マル戦計画」に基づき立てられたもので、正式な型番は4501号艦型の8番艦、仮称は第4508号艦でした。艦は1945年2月17日に呉海軍工廠にて起工され、約3週間後の3月5日には伊号第二百八潜水艦と命名されました。当初、艦の本籍地は横須賀鎮守府と仮定されており、伊二百一型潜水艦の中の8番艦としての役割を担うことが決定位付けられていました。

進行中の工事は順調に進んでいるかに見えましたが、1945年4月17日に工程がわずか5%の段階で工事中止が発表されます。戦局の悪化など、背景には様々な要因があったと考えられます。この停止に伴い、伊号第二百八潜水艦は完成することなく、その運命が大きく変わりました。

その後、艦は1946年の4月から5月までの間に、伊号第二百七潜水艦と共に播磨造船所呉船渠で解体されることとなります。これにより、完成を待たずしてこの艦は歴史の中から消えていくこととなりました。

参考文献

この艦の詳細な情報は、さまざまな文献に記載されています。特に、海軍省の内令や戦後の資料には、艦の計画及び進捗状況の詳細が述べられています。例えば、昭和19年6月20日付の内令員第1062号や、昭和20年3月5日付の達第46号、内令第197号、内令第205号などが参考にされます。

また、『世界の艦船』シリーズや、福井静夫による著作においても、日本海軍に関する情報が豊富に記載されており、これらの資料を通じて艦の背景やこの潜水艦にまつわる歴史を理解することが許されます。特に『日本潜水艦史』の増刊号や、『写真 日本海軍全艦艇史』などは、伊号第二百八潜水艦や他の艦艇についての貴重な情報源となっています。

このように、伊号第二百八潜水艦は日本海軍の潜水艦として計画されたものの、運命の環境の変化により完成することなく解体された艦艇であり、戦争中の日本の艦艇における歴史の一端を象徴しています。

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