伊東博

伊東博（いとう ひろし）

伊東博（1919年3月2日 - 2000年8月19日）は、日本の著名な心理学者であり、教育者です。彼の研究と業績は、日本の心理学、特にカウンセリングと人間性心理学の分野に大きな影響を与えました。

生涯

秋田県に生まれた伊東博は、東京文理科大学を卒業後、ミズーリ大学大学院で学びました。帰国後、横浜国立大学教育学部で助教授、教授として長年教鞭を執り、1983年に定年退官しました。その後、東京国際大学教養学部の教授として1994年まで後進の指導にあたりました。

伊東博の学術的な貢献は、特にカール・ロジャーズの著作の翻訳にあります。ロジャーズの人間性心理学の思想を日本に紹介し、普及に尽力しました。彼の翻訳は、日本のカウンセリングや心理療法の実践に大きな影響を与え、多くの心理学者やカウンセラーにインスピレーションを与えました。

2000年8月19日、伊東博は呼吸不全のため永眠しました。

業績

伊東博は、教育心理学、カウンセリング心理学、人間性心理学など、幅広い分野で研究を行いました。特に、カール・ロジャーズの人間中心療法（クライエント中心療法）の理論と実践を日本に紹介し、その普及に大きく貢献しました。

彼は、教育現場におけるカウンセリングの重要性を早くから提唱し、教師が子どもたちの成長を支援するためのカウンセリング技術を学ぶ必要性を訴えました。また、管理職向けのカウンセリング入門書を執筆するなど、職場における人間関係の改善にも貢献しました。

伊東博は、自己実現の重要性を強調し、教育を通じて人々の潜在能力を引き出すことを目指しました。彼の著書や翻訳は、教育関係者だけでなく、広く一般の人々にも読まれ、自己成長や人間関係の改善に役立つ情報を提供しました。

著書（一部）

『カウンセリング 個人指導の原理と方法』（1952年）
『カウンセリング入門』（1959年）
『人間中心の教育 教師の自己変革をめざして』（1975年）
『自己実現の教育 豊かな人間性の育成をめざして』（1980年）
『ニュー・カウンセリング "からだ"にとどく新しいタイプのカウンセリング』（1983年）

翻訳書（一部）

F.P.ロビンスン『カウンセリングの原理と方法』（1957年）
C.H.パターソン『カウンセリングと心理療法』（1962年）
カール・ロジャーズ全集シリーズ

伊東博の業績は、日本の心理学界における人間性心理学の発展に大きく貢献しました。彼の著書や翻訳は、今も多くの人々に読まれ、影響を与え続けています。

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