伊牟田均

伊牟田 均

1948年2月27日に鹿児島県鹿児島市に生まれた伊牟田均氏は、日本の実業界において多岐にわたる分野で活躍してきた人物です。

鹿児島大学法文学部で学んだ後、1970年に大手証券会社である野村證券に入社し、金融業界でのキャリアをスタートさせました。入社後、国内外の要職を歴任し、その経験を積み重ねていきます。1987年には、当時海外拠点として重要性を増していたノムラ・ニューヨークへ副社長として派遣され、国際金融の最前線で活躍しました。翌1988年には本社に戻り、国際金融部長として手腕を発揮。さらに1990年には、成長著しいアジア市場の中心地であるノムラ・シンガポールの代表取締役社長に就任するなど、グローバルな視点と経験を培いました。

野村グループを離れてからは、ベンチャーキャピタル業界へと活躍の場を広げます。1993年には日本合同ファイナンス（現在のジャフコ）の取締役に就任。1997年には同社のアメリカ・ベンチャーズ会長を務め、海外での投資事業を牽引しました。その後、2001年には日本合同ファイナンスの専務取締役に昇任するなど、日本のベンチャー投資黎明期を支える役割を担いました。

さらに、中国における事業にも深く関わります。2003年には野村・中国投資の副社長を務めると同時に、上海のオークラガーデンホテルの副理事長や北京発展大廈有限公司の常務理事を兼任するなど、中国市場における日系企業の事業展開や不動産開発にも携わりました。

2008年には、地元・鹿児島県の主要観光拠点である城山観光ホテルを運営する城山観光株式会社に、代表取締役副社長として迎えられました。同社は当時、私的整理の過程にありましたが、伊牟田氏はその経営再建を託されます。翌2009年には代表取締役社長に就任し、陣頭指揮を執ることで、同社を経営危機から救い出し、過去最高の収益を記録するまでに成長させるという顕著な功績を上げました。2015年には代表取締役を退き、取締役会長として後進をサポートする立場に移りました。

城山観光での実績に加え、伊牟田氏は様々な公職や地域貢献活動にも関わっています。2016年からは母校である鹿児島大学の監事に任命され、大学運営の監査に携わりました。また、2020年には鹿児島県の観光プロデューサーに就任し、県の観光振興策に貢献する意欲を示しましたが、任期途中の2021年12月に辞任しています。

近年もその活動は衰えることを知りません。2022年4月には、シェラトン鹿児島を運営する南国殖産の子会社である南国ホテルズの代表取締役社長に就くことが報じられました。同年7月には、鹿児島中央駅前に復活した「かごっまふるさと屋台村」を運営する新鹿児島グルメ都市企画の理事長に就任するなど、故郷鹿児島の観光・活性化事業に引き続き尽力しています。金融、ベンチャーキャピタル、そして観光と、幅広い分野で確かな実績を残す実業家として、その手腕に注目が集まっています。

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