伊祖トンネル

伊祖トンネル

沖縄県浦添市伊祖に位置する伊祖トンネルは、国道330号バイパスの一部を構成するトンネルです。このトンネルは、沖縄本島中南部で初めて建設された道路トンネルであり、日本初のめがね型トンネルとしても知られています。1975年に開通したこのトンネルは、全長90mと比較的短いですが、その建設には興味深い経緯があります。

建設の背景

当初の計画では、トンネルの上を通る沖縄県道153号線と立体交差する予定でした。しかし、建設予定地で貝塚（遺跡）が発見されたため、県道との交差を避ける形でトンネルが建設されることになりました。結果として、県道はトンネルの上を通り、トンネルは県道をアンダーパスする形となりました。

その後、国道330号のバイパス（牧港・国道58号方面）が建設され、トンネルのすぐ北側にインターチェンジが設けられました。このインターチェンジは1987年に開通し、トンネルと同様にバイパス計画時から計画されていました。トンネル建設当時から、インターチェンジの合流部分の車線確保のため、トンネルの左右の大きさが異なっているという特徴があります。

浦添貝塚

伊祖トンネルの上の丘陵地北側に位置する浦添貝塚は、発掘調査によって重要な発見があった場所です。ここでは、奄美大島で見られる土器と同種の土器や、九州縄文後期を代表する市来式土器が出土しました。これらの出土品は、当時の文化交流や人々の生活を知る上で貴重な資料となっています。1972年には、その歴史的価値から沖縄県の史跡に指定されました。

伊祖の高御墓

伊祖トンネルの上の丘陵地には、もう一つ重要な場所があります。それは伊祖の高御墓です。この墳墓は、英祖王の父である恵祖世主の墓と伝えられています。墓が丘陵地の中腹にあることから、「高御墓」という名称が付けられました。この墓も浦添貝塚と同様に、1972年に沖縄県の有形文化財に指定されており、地域の歴史を今に伝える重要な場所です。

関連情報

• - 国道330号
• - 伊祖インターチェンジ
• - 伊祖
• - 浦添市

外部リンク

• - 沖縄総合事務局南部国道事務所

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