伊藤保平

伊藤保平について

伊藤保平（いとうやすへい）は、1882年8月26日に兵庫県で生まれ、1965年 6月7日に亡くなった日本の実業家、政治家です。実業界では、西宮酒造（現・日本盛）の社長を務め、政治界では参議院議員として活躍しました。彼のさんゆうは、酒造業の発展に尽力し、地域社会にも影響を与えた重要な人物の一人でした。

生い立ちと経歴

伊藤は武庫郡西宮町浜之町で、酒樽製造業を営む大岡佐平治の二男として生まれました。1892年に酒造業者の伊藤米蔵の養嗣子となり、同時に「保平」と改名しました。彼は1906年に慶應義塾大学を卒業し、同年には共同火災保険に入社します。

以後、1912年には西宮酒造の取締役に就任し、1919年には社長に昇進しました。伊藤は酒造業界での地位を確立し、兵庫県酒造組合連合会の会長や日本酒造組合中央会の会長など、多くの役職を歴任しました。

政治活動

また、伊藤は政界にも進出します。西宮市会議員に選出され、1933年には同議会の議長にも就任しました。戦後の1947年には無所属で参議院議員に立候補し当選するなど、政治的影響力も持ち続けました。日本酒造協会や焼酎酒造組合中央会など、酒造業界の発展にも貢献し続けました。

功績と表彰

伊藤は、酒類の改良品質向上に努めた業績により、1955年に藍綬褒章を受章しました。さらに、1964年には勲二等瑞宝章を受章し、その貢献が認められました。

彼は1956年に西宮酒造取締役会長に就任し、1965年には再び同社の社長に就きました。しかし、同年6月に東京都で病に倒れ、享年82歳でこの世を去りました。死後の叙位として従四位に叙されました。

個人的な側面

伊藤保平は、酒造業界の発展を支えた池田勇人と親友で、彼のキャリアを応援しました。また、浄土宗の信者で、趣味に碁や旅行を持つ一面もありました。彼の住所は西宮市鞍掛町で、地域に根ざした生活を送っていたことが伺えます。

著作

伊藤は著述活動も行っており、『勝部如春斎伝』や『酒字集古』など、酒に関する書籍を編纂しています。これらの著作からも、彼の酒造業界への深い愛情が読み取れます。