伊藤和雄

伊藤 和雄（いとう かずお）

伊藤和雄は1989年12月13日、埼玉県比企郡小川町に生まれた元プロ野球選手で、阪神タイガースにて投手として活躍しました。彼の野球キャリアは、小川東中学校での野球スタートから始まりました。当初は控えの二塁手としてプレーしていましたが、埼玉県立坂戸西高等学校に進学後、投手としての道を歩むことになりました。高校時代はエースとしてチームを支えましたが、全国大会の舞台には立つことがならず、卒業後は東京国際大学に進学します。

大学時代は、広島東洋カープの元監督が指揮する硬式野球部でプレーし、特に4年生の春季リーグでは7勝を上げ、チームを初優勝に導くことに成功しました。この活躍を評価され、2011年のNPBドラフトで阪神タイガースから4位指名を受け、契約金4000万円、年俸800万円でプロ入りしました。

プロ入り後

プロ入り初年度の2012年、彼は一軍キャンプに参加しましたが、キャンプ途中に右肩の炎症に悩まされ、公式戦開幕を二軍で迎えました。初めての一軍登板は2012年10月3日の中日ドラゴンズ戦で行われましたが、この試合だけの出場となりました。それにもかかわらず、2013年には再び一軍キャンプに参加し、強化試合では日本代表を完璧に抑え、非公式記録ながらセーブポイントを獲得します。しかし、シーズン中に右肘を故障してしまい、二軍生活が続きました。

2014年には育成選手としての契約が続きましたが、オープン戦でのパフォーマンスが良好だったため、復帰の機会を掴みます。シーズン中は一軍に登板するも、なかなか勝ち星を挙げることができず、2015年には左脇腹などの怪我に悩まされました。正念場となった2016年、彼は一軍で5試合に登板し、防御率2.45を記録しました。

その後も2018年にはウエスタン・リーグでの優秀な成績を収め、最多セーブを受賞するなど、成長を見せましたが、2019年には腰の故障が影響し、シーズンを通してなかなか結果を残せませんでした。2020年にはついに一軍での初勝利を挙げ、その後も多くの試合に登板しましたが、2021年には契約を更新せず現役を引退することとなりました。

引退後

引退後は、球団職員として『タイガースアカデミー ベースボールスクール』の専属コーチに就任することが発表され、次世代の選手育成に尽力することとなりました。

選手としての特徴

伊藤和雄の投球スタイルは、力みのない腕の振りから繰り出される最速150km/hのストレートと、スライダーやフォークといった変化球のキレが特徴です。制球力にも優れており、特にストレートは外角低めにきっちりと投げ込む能力がありました。2013年に右肘を痛めた際にはフォームを崩し、育成選手契約に移行することもありましたが、その後の指導で見事にフォームを修復し、高速ストレートを取り戻しました。

詳細情報

• - 初登板：2012年10月3日、対中日ドラゴンズ
• - 初勝利：2020年6月27日、対横浜DeNAベイスターズ
• - 初ホールド：2020年11月11日、対横浜DeNAベイスターズ
• - 背番号：17（2012〜2013）、117（2014）、92（2014〜2021）

伊藤和雄のキャリアは決して平坦ではなく、数々の苦難を乗り越えた選手として、多くのファンの心に記憶されています。

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