伊藤宗看 (3代)

三代伊藤宗看の生涯と業績

三代伊藤宗看（さんだいいとうそうかん、生年1706年、没年1761年）は、江戸時代の将棋界で著名な棋士であり、七世名人としてその名を知られています。彼は将棋三家の一つである伊藤家の当主でもあり、別名を政長・印寿と呼ばれています。宗看の父は五世名人の二代伊藤宗印であり、兄や弟たちも将棋界で名を馳せた才能ある棋士でした。

家庭環境と将棋との関わり

伊藤家は将棋に長けた家系であり、宗看もその流れを汲んでいました。宗看がまだ若いころ、彼の兄である伊藤印達が早世したことで、父の二代宗印が家の後継者となりました。父が亡くなった際、宗看はわずか18歳で家を継ぎ、翌年には三代宗看を名乗りました。こうした家庭環境が、彼の将棋の道への決意を固める大きな要因となったのです。

将棋界での業績

宗看はその才能を遺憾なく発揮し、特に御城将棋での成績は圧巻です。彼の戦績は18勝6敗1持将棋と非常に優秀で、名人位に就くまでの記録は10勝1敗という驚異的なものでした。有名な逸話の一つに、彼の将棋はその独特なスタイルから「鬼宗看」と呼ばれたことがあります。

将棋の実力が高まると共に宗看は、享保元年に初段を取得し、御城将棋に初めて出席しました。その後、若干23歳で名人位に就くこととなり、以後、将棋界における彼の影響力は強まる一方でした。彼の指した『象戯作物』に代表されるように、詰将棋の作品も残しており、その作品集は今でも高く評価されています。

詰将棋とその功績

宗看が残した詰将棋作品集『象戯作物』は、詰将棋史における名作とされ、古今の棋士に影響を与えました。この作品集は難解な問題が多数収められており、特に十二番、三十番、七十番などの作品はその美しさと難しさから高く評価されています。実際、この作品集が将棋界に与えた影響は計り知れず、彼の業績は詰将棋の水準を一段階引き上げたとされています。

衝撃的な決着と晩年

宗看の晩年は、権勢に溺れ棋力が衰えたと言われていますが、それでも彼の名声は揺るがなかった。彼は56歳でこの世を去り、伊藤家の名はその後も存続し続けました。指名された以降の名人位は空位となり、実子が後継することとなるも、若くして命を落としてしまいます。

まとめ

三代伊藤宗看は、将棋界において確固たる地位を築き上げ、多くの棋士に影響を与えた偉大な人物です。その詰将棋や棋譜は、今も人々に愛され続けており、彼の存在は将棋の歴史において大きな意義を持っています。将棋を愛する者にとって、宗看の業績は決して忘れられることのない宝物です。

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