伊達宗綱 (岩ヶ崎伊達家)

伊達宗綱の生涯

伊達宗綱（だて むねつな）は、初代江戸時代の陸奥国仙台藩における岩ヶ崎伊達家の当主であり、栗原郡の岩ヶ崎要害主として知られています。彼は慶長8年（1603年）に、仙台藩初代藩主である伊達政宗の五男（第6子）として、江戸の伊達屋敷で誕生しました。幼少期の名前は卯松丸であり、母親の愛姫とともに育てられました。愛姫は政宗の正室であり、同年には他の兄弟も授かっており、賑やかな家族環境で育ったことが伺えます。

幼少期、卯松丸は守役の茂庭綱元の下で育てられ、乳母には小野方が任命されました。この家庭環境が彼の後の人生にどのように影響を与えたのかを考えることは興味深いです。慶長18年（1613年）には、父である政宗から元服を命じられ、宗綱と名付けられました。このことにより、彼は、陸奥国栗原郡の3万石を与えられ、岩ヶ崎要害主としての地位を確立します。

元和元年（1615年）、宗綱は病に罹り、政宗からの心配の手紙が乳母を通じて送られました。この当時、彼は大坂夏の陣にも参加しており、政宗の指示に従いながらも健康を害し、御灸による療治を受けました。同年の9月には、江戸で発生した火事により伊達の屋敷が焼失し、政宗からその労いの手紙が送られる出来事もありました。

元和2年（1616年）、宗綱は仙台から江戸に到着し、父政宗と対面し敬意を表しました。この機会には兄弟たちも集まり、一族の絆が強く感じられる場面でもありました。しかし、同年の晩冬には再度病を抱えるようになり、父の政宗はその様子を心配し続けました。宗綱の健康を早く回復させようと、家族は様々な治療を試みたようです。

順調に見えた宗綱の生活も、元和4年（1618年）、ついに病に倒れ、わずか16歳でこの世を去ってしまいます。法名は華屋浄蓮といい、五峯山松音寺にて葬られました。彼の早すぎる死は、父の政宗を深い悲しみに陥れ、哀悼の歌を詠ませる結果となりました。

宗綱には子どもがいなかったため、その地位は異母弟の宗信が引き継ぐことになります。彼の死後、守役の茂庭綱元も精神的な喪失感から出家し、紀州高野山へと向かい、宗綱の菩提を弔うことを決意しました。政宗は彼の請願を許可し、綱元は高野山で宗綱のために誠心誠意尽くしたと伝えられています。

宗綱の短い生涯は、家族や周囲の支えを受けながらも、幾多の苦難を乗り越えようとした姿勢が伺えます。その影響は、後の伊達家に引き継がれ、彼の存在は今でも人々に語り継がれています。彼のことを知ることで、当時の人々の思いや文化についても理解を深めることができるでしょう。

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