伊達宗起

伊達 宗起（だて むねおき）

伊達宗起は、1927年に東京府で生まれ、戦後日本の外交官として広範な経歴を持ちます。彼は東京府立第六中学校、浦和高等学校を経て東京大学法学部に進学し、1950年に外務省に入省しました。多くの国際的なポストを歴任した彼のキャリアは、国際関係の変化を反映したものでもあります。

主な経歴

彼の外交官としてのキャリアは、在ジュネーヴ国際機関日本政府代表部において二等書記官を務めたことから始まり、その後一等書記官に昇進しました。1965年には内閣法制局の参事官という重要な職務を担い、1968年には外務省のアジア局北東アジア課長に任命されました。これは、当時の国際情勢を考えると非常に戦略的な役割でありました。

1970年、彼は在ベルギー日本国大使館の一等書記官として任命され、その後外務省の条約局外務参事官や情報文化局外務参事官としても活躍しました。また、1978年には外務大臣官房審議官（中南米担当）としても重要な役割を果たしました。1981年には外務大臣官房長に就任し、その後1983年には駐アルジェリア特命全権大使を務めました。

欧州共同体日本政府代表部

1987年からは欧州共同体日本政府代表部の特命全権大使として任命されました。この職務において、彼は日本と欧州との関係を強化するために貢献していました。しかし、彼のキャリアは投資トラブルによって暗転します。

当時、彼が出資していたノンキャリア職員がスイスで設立した投資ファンドが、1987年のブラックマンデーを受けて急落しました。この結果、預託金返還の訴訟問題が表面化し、最終的には厳重注意の譴責処分を受け、解任される事態となりました。これは、彼にとって非常に残念な結末でしたが、外交官としての多くの功績は変わらず評価されています。

家族

伊達宗起は、妻である巴絵と共に家庭を築いています。彼女は著名な小説家、獅子文六の長女であり、彼の家族背景にも興味深いエピソードが含まれています。また、彼の父親である伊達宗雄もまた、経済界でのキャリアを持ち、1923年に東京商科大学を卒業後、世界経済調査会で企画課長を務めたことがあります。

このように、伊達宗起は外交官としての非凡な経歴を持ちながらも、投資トラブルによる解任という困難な状況に直面しました。その経歴は、日本の外交の歴史の一部として今なお語り継がれるものです。

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