伊集院光のてれび

『伊集院光のてれび』は、2015年10月から12月にかけてTwellVで放送されたバラエティ番組です。伊集院光が企画、構成、演出、主演、編集、ロケハンまでを手がけるという、まさに「伊集院光の番組」と呼ぶにふさわしい作品でした。

この番組は、過去にBS11デジタルで放送された『伊集院光のばんぐみ』、『伊集院光のしんばんぐみ』、東名阪ネット6の『伊集院光のばらえてぃーばんぐみ』の流れを汲むもので、スタッフも一部共通しています。収録は主にホリプロ本社や熱海研修センターで行われ、前作同様、熱海温泉の海岸での挨拶から始まるのが恒例でした。

番組の大きな特徴は、毎回趣向を凝らした企画の数々です。例えば、「真剣じゃんけん」では、女性レギュラー陣の座を賭けて、女芸人や女性芸能人が真剣にじゃんけん勝負を繰り広げました。また、「心を込めてお弁当を作ろう!」では、伊集院自らがロケ弁を自作するものの、実は出演者の嫌いな食材を仕込んだドッキリ企画という裏の顔も持っていました。

さらに、「ありそうでない店名チキンレース」では、実際に存在しそうで存在しない飲食店の店名を考え出すクイズに挑戦。「VRDK（バーチャルリアリティードッキリ）」では、VRゴーグルを使ったドッキリで、人がどのような状況でドキドキするのかを検証しました。「仲良しメンバーと厳選食材でカレーを作ろう」では、マザー牧場を舞台に、カレー作りに不要な食材を持った芸人を排除していく心理ゲームを展開しました。

最終回では、伊集院光が自身の芸能生活30周年を記念したVTRを制作する企画が行われました。霧降高原の天空回廊で、山道を登る伊集院の姿を4Kカメラ1台で撮影するという、過酷なロケに挑みました。

番組のテーマソングは、電気グルーヴの「人間大統領」。伊集院光が石野卓球に直接依頼して書き下ろしてもらった楽曲ですが、制作が間に合わず、最初の2回はANZEN漫才が「テーマソングが出来てねえ」と歌うという異例の事態となりました。

『伊集院光のてれび』は、深夜番組ならではの実験的な企画と、伊集院光ならではの視点が光るバラエティ番組でした。惜しまれつつも1stシーズンで終了しましたが、Blu-ray Discが発売され、今でもその魅力に触れることができます。

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