伏見丘太郎

伏見丘太郎：ユーモアとエロスの狭間を駆け抜けた小説家

伏見丘太郎（ふしみ きゅうたろう、1915年10月 - ）は、昭和期に活躍した日本の小説家です。本名を藤田敏男といい、大阪で生まれました。早稲田大学文学部に入学しますが、兵役のため中途退学しています。

デビューと転身

伏見の文筆家としてのキャリアは、1949年に『サンデー毎日』の大衆文芸でユーモア小説「下宿あり」が入選したことから始まりました。その後、雑誌に小説を発表する傍ら、1955年頃からは戯曲やシナリオの執筆にも取り組み、放送作家としてNHKをはじめとするテレビ番組制作に携わりました。

小説家としての飛躍

1963年には江戸川乱歩賞の候補となり、1965年には「悪い指」で小説現代新人賞を受賞。この受賞を機に、伏見は艶笑小説の世界へと足を踏み入れ、数多くの作品を発表しました。

作品の特徴

伏見丘太郎の作品は、ユーモアとエロティシズムが絶妙に組み合わされている点が特徴です。軽妙な語り口と、時に大胆な性描写が、読者を引き込みました。作品には以下のようなものがあります。

宝ちん先生行状記 (桃園書房, 1975)
かんにんどっせ (青樹社, 1975)
てんじょ裏日記 正続新 (スポーツニッポン新聞社出版局, 1975-1976)
お先にごめん 東山先生風流譚 (光文社, 1976)
童貞くん危機一髪 正続 (スポーツニッポン新聞社出版局, 1976)
舌ころがし きょうとヤトナ艦隊 (スポーツニッポン新聞社出版局, 1977)
東山先生風流譚 タダほど怖いものはない (スポーツニッポン新聞社出版局, 1977)
東京本社栄転 バリキ君奮闘帖 (グリーンアロー出版社, 1978)
ピンクの寝棺 (グリーンアロー出版社, 1978)
京都五条どんつきホテル (グリーンアロー出版社, 1978)
もつれ合い (日本文華社, 1979)
助ッ人運ちゃんらぶ繁盛記 (桃源社, 1980)
内緒でちょっと (スポニチ出版, 1981)
きのう寝た女 (双葉社, 1983)
代理ワイフ、昇天 東山先生艶笑譚 (光文社, 1986)
東山先生行状記 熟女学入門の巻 (光文社文庫, 1988)

晩年と影響

伏見丘太郎の晩年については、詳しい情報がありません。しかし、彼の作品は、大衆小説の世界において、独自の地位を確立したと言えるでしょう。ユーモアとエロスの融合という、他に類を見ない作風は、後世の作家たちにも影響を与えています。

伏見丘太郎は、大衆文化の一時代を彩った作家として、記憶されるべき存在です。

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