伐採木測定法

伐採木測定法とは



伐採木測定法とは、伐採された木の材積、つまり木の体積を測定する方法のことです。この測定法は、木材の取引や森林資源の管理において非常に重要な役割を果たします。伐採木測定法は、大きく分けて数学的な測定法と物理学的な測定法に分類することができます。

数学的測定法



数学的測定法は、木の直径や周囲、長さを測り、それらの数値を用いて幾何学的に材積を算出する方法です。この方法は、比較的簡単に材積を推定できるため、広く用いられています。ただし、木の形状は必ずしも単純な円柱や円錐ではないため、誤差が生じることもあります。

各国の測定法


数学的測定法には、各国で様々な公式や手法が用いられています。

ドイツオーストリア
フーベルの公式: 木材の中央部分の直径を測定し、その値を基に材積を算出します。具体的には、中央直径の2乗に円周率(π)の1/4を掛け、さらに長さを掛けることで材積を求めます。
スマリアンの公式: 木材の元口と末口の直径をそれぞれ測定し、その平均値を基に材積を算出します。元口と末口の断面積の平均に長さを掛けることで材積を求めます。
フランス
木材の中央部分の周囲を測定し、その値を基に材積を算出します。具体的には、中央部の周囲の1/5の2乗に、長さの2倍を掛けることで材積を求めます。
アメリカ
丸太材積表(ログ・ルール)を用いて材積を測定します。この表は、丸太から得られる製材の材積をボード・フィートという単位で示しています。ボード・フィートは、厚さ1インチ、1フィート平方の板の材積を表す単位です。

日本在来の方法


日本でも、古くから様々な伐採木測定法が用いられてきました。

末口二乗法: 木材の末口直径を測定し、その2乗に長さを掛けることで材積を求めます。この方法は、短い木材では比較的正確な値が得られますが、長い木材では誤差が大きくなる傾向があります。
* 元口間知法: 木材の元口と末口の両方の直径を測定し、その平均値を2乗します。それに0.79(円周率の1/4)を掛け、さらに長さを掛けることで材積を求めます。この方法で得られる結果は、実際よりも過小評価される傾向があります。

物理学的測定法



物理学的測定法は、木の形状が複雑で数学的な計算が難しい場合に用いられます。この方法では、測容器(xylometer)という特殊な容器に木材を沈め、その際に上昇した水面から木の体積を測定します。この方法は、根、株、枝など、不規則な形状の木材の体積を正確に測定するのに適しています。

まとめ



伐採木測定法は、数学的測定法と物理学的測定法の2種類に大別されます。数学的測定法は、直径や周囲、長さを測ることで比較的簡単に材積を推定できますが、木の形状によっては誤差が生じます。一方、物理学的測定法は、複雑な形状の木材でも正確に体積を測ることができます。それぞれの方法には、メリットとデメリットがあり、対象となる木材の形状や測定の目的に応じて使い分けることが重要です。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。