伝嗣院

伝嗣院（でんしいん）は、山梨県南アルプス市上宮地に位置する曹洞宗の寺院です。大神山（だいじんさん）を山号とし、本尊に釈迦如来を祀っています。この寺院は、甲府盆地の西部に広がる西郡地域にあり、盆地を一望できる丘陵の上に建てられています。

歴史

伝嗣院の創建は室町時代に遡ると伝えられています。寺伝によれば、下宮地村の三輪明神（現在の神部神社）の神主であった今沢重貞（いまざわしげさだ、山城守とも名乗る）が、普含道観（ふかんどうかん）と号し、三輪明神の山宮（現在の八幡神社）があったこの地に草庵を結んだのが始まりとされています。

文亀元年（1501年）、重貞は叔父である第翁挙一（だいおうきょいち）を迎え、伝嗣院を開山しました。第翁挙一は、南明寺（山梨県南巨摩郡富士川町小林にある寺院）の8世である天徳（てんとく）の弟子でしたが、天徳の死後、在先祖鑑（ざいせんそかん）に師事し、在先が伝嗣院の開山となりました。在先は、静岡県伊豆市の最勝院を開山した吾宝宗璨（ごほうそうさん）の高弟である州安宗彭（しゅうあんそうほう）の法孫にあたります。このため、伝嗣院は、笛吹市一宮町金沢の広厳院や甲府市の興因寺とともに、伊豆最勝院の末寺として位置づけられています。

伝嗣院は、その歴史の中で地域の信仰の中心として重要な役割を果たしてきました。甲府盆地を見下ろす高台に位置しているため、その境内からは四季折々の美しい景色を眺めることができます。特に春には桜が咲き誇り、多くの人々がその美しい光景を求めて訪れます。

周辺情報

伝嗣院の近くには、関連の深い八幡神社（南アルプス市上宮地）があります。また、「死霊八幡霊神」という、地域に伝わる特異な信仰もこの地には存在しています。

外部リンク

伝嗣院の桜については、南アルプス市の公式サイトで紹介されています。
伝嗣院の桜 - 南アルプス市

伝嗣院は、その歴史的背景と美しい自然環境が調和した、訪れる人々にとって心の安らぎを与える場所となっています。

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