伯鳳会

医療法人伯鳳会グループ：地域医療とM＆A戦略による成長物語

医療法人伯鳳会は、兵庫県赤穂市にルーツを持つ医療グループです。1962年、古城猛彦医師が「古城外科」を開業したことが始まりです。その後、病院への昇格、医療法人化を経て、2001年に古城猛彦氏の死去後は、息子の古城資久氏が2代目理事長に就任します。

就任当初、伯鳳会は赤字経営に苦しんでいました。古城資久氏は、抜本的な経営改革に着手。経費削減や人事考課制度の導入などの改革は成果を上げ、黒字化に成功。2004年には、日本経済新聞の「病院の経営充実度ランキング」で全国2位にランクインするなど、その経営手腕は高く評価されました。

しかし、事業規模の小ささは課題でした。高齢化が進む赤穂市という地の利を生かした経営だけでは限界があると判断した古城資久氏は、大胆なM＆A戦略へと舵を切ります。

2005年、明石市の国仲病院（現・明石リハビリテーション病院）を皮切りに、経営難に陥っていた複数の病院や介護施設を買収。徹底した経営改善策を講じることで、買収した施設の多くを数年で黒字化に転換させることに成功しました。

M&Aは兵庫県内にとどまりません。大阪府、東京都へと事業を拡大。2018年には、医業総収入約390億円、経常利益約39億円を達成するまでに成長を遂げました。

伯鳳会グループのM&Aの特徴は、後継者不足や赤字経営に悩む医療・介護施設をターゲットとしている点にあります。買収後、経営ノウハウの注入や人員配置の最適化などを徹底的に行い、地域社会に貢献する医療・介護サービスを提供できるよう再生させています。

ヘルプマスク運動

伯鳳会グループでは、ユニークな社会貢献活動も展開されています。2021年には、大阪陽子線クリニックの職員が中心となって「ヘルプマスク」運動が開始されました。これは、マスクに青いハートマークを描くことで、困っている人をサポートする意思を示す活動です。青いハートには「信頼・調和・揺らぐことのない愛」というメッセージが込められています。

伯鳳会グループを構成する法人

伯鳳会グループは、医療法人伯鳳会を中核に、複数の医療法人や社会福祉法人で構成されています。それぞれの法人は、病院、診療所、介護施設、訪問医療ステーションなどを運営し、地域医療・介護に貢献しています。主な法人としては、社会福祉法人大阪暁明館、社会福祉法人玄武会、社会福祉法人あそか会、医療法人五葉会、医療法人積仁会などが挙げられます。

伯鳳会グループが運営する主な医療施設

伯鳳会グループは、兵庫県、大阪府、東京都などに多数の病院、診療所を展開しています。代表的な施設としては、赤穂中央病院、赤穂はくほう会病院、明石リハビリテーション病院、はくほう会セントラル病院、東京曳舟病院、大阪中央病院などがあります。これらの施設は、地域住民のニーズに合わせた質の高い医療を提供しています。

さらに、グループは介護施設や訪問医療ステーションなども運営し、地域包括ケアシステム構築にも貢献しています。

廃院・売却された施設

事業規模拡大の中で、一部の施設は廃院または売却されています。小国病院は、医師不足などの問題を抱え、一旦伯鳳会グループ入りしましたが、その後売却されました。藤森耳鼻咽喉科も、老朽化などの理由で閉院しています。

教育機関

伯鳳会グループは、医療専門学校も運営しています。はくほう会医療専門学校赤穂校、はくほう会医療専門学校明石校では、理学療法士、作業療法士、看護師などを育成し、医療現場への人材供給にも貢献しています。

まとめ

医療法人伯鳳会グループは、地域医療への貢献を第一に、積極的なM＆A戦略と経営改善によって、着実に成長を遂げてきました。今後も、地域社会のニーズに応える医療・介護サービスの提供と、持続可能な発展を目指していくものと期待されます。

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