伴金美

伴金美（ばん かねみ）は、1949年12月15日に生まれ、2018年12月6日に生涯を閉じた日本の経済学者です。大阪大学の名誉教授であり、環境経済・政策学会の副会長も務めました。彼の専門分野は、計量経済学、環境経済学、応用一般均衡モデル分析と多岐にわたり、日本の経済学研究に大きな貢献をしました。

愛知県で生まれた伴金美は、1972年に名古屋大学経済学部を卒業後、1974年に同大学大学院経済学研究科の修士課程を修了しました。その後、京都大学経済研究所の助手として研究者の道を歩み始めました。1977年には広島大学政経学部の講師、1979年には筑波大学社会工学系の講師として教鞭を執りました。

1981年には経済企画庁経済研究所の客員研究員となり、政府の経済政策にも関与しました。1982年からは大阪大学経済学部に助教授として着任し、1991年には同大学の教授に昇進しました。また、同年には大阪大学から経済学博士号を授与され、日本学術会議経済統計学研究連絡委員会の委員も務めました。1989年には経済審議会臨時委員（計量委員会）として、経済政策の立案にも携わりました。

1996年と2001年、そして2004年には、内閣府経済社会総合研究所の客員主任研究官として、経済政策に関する研究を行いました。2014年に大阪大学を定年退職し、名誉教授の称号を得ました。その後、高知工科大学マネジメント学部の教授として教鞭を執りました。また、環境経済・政策学会の副会長も務め、学会の発展にも貢献しました。

伴金美は、数多くの著書を執筆しており、計量経済学や統計分析に関する分野で重要な貢献をしました。主な著書には、『新SNAデータによる計量経済モデルの作成』（1980年）、『エコノメトリックス』（1988年）、『マクロ計量モデル分析 : モデル分析の有効性と評価』（1991年）、『パソコン統計学 : PC Statistics』（1993年）、『TSPによる経済データの分析』（1995年）、『ミクロ統計の集計解析と技法』（2000年）、『収穫逓増と独占的競争をとりいれた日本経済の応用一般均衡モデルの開発』（2005年）、『温暖化対策分析用CGEモデルへの新技術・新エネルギーの導入方法』（2007年）などがあります。

これらの著書は、経済学の研究者だけでなく、政策立案者にとっても重要な参考資料となっています。伴金美の業績は、日本の経済学の発展に大きく寄与し、彼の研究は今日でも多くの研究者に影響を与え続けています。2018年12月6日、伴金美は肝腫瘍のため亡くなりましたが、彼の遺した功績は、今後も長く語り継がれていくでしょう。

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