但田裕介

但田 裕介（たじた ゆうすけ）氏は、1951年4月27日に東京都小平市花小金井で生まれた、日本の元プロ野球選手です。現役時代のポジションは投手でした。

高校時代

東京都の堀越高等学校に進学した但田氏は、野球部でエース投手としてチームを牽引しました。打撃面でも五番打者を務めるなど、投打ともに中心選手としての活躍を見せます。

高校2年生の時、1968年秋季東京大会でチームを決勝まで導きましたが、惜しくも日体荏原高校に敗れ優勝はなりませんでした。しかし、この秋の好成績が評価され、翌1969年春の選抜高等学校野球大会への出場が決定。堀越高校にとって、これが初の甲子園出場という歴史的な一歩となりました。

迎えた選抜本大会では、但田投手の快投が続きます。準々決勝では、後にプロ野球で活躍する山本功児氏、淡口憲治氏らを擁する三田学園高校と対戦し、これを破る金星を挙げました。さらに準決勝では、博多工業高校の岩崎清隆氏との緊迫した投手戦を制し、見事な完封勝利を収め、チームを決勝へと導きました。しかし、決勝戦では三重高校の上西博昭投手の前に打線が沈黙し、無念の大敗。全国制覇は叶いませんでしたが、チームを創部初の甲子園準優勝という輝かしい成績に導いた立役者となりました。

選抜後の同年春季関東大会でもその勢いは衰えず、決勝では社会人野球の名門、日本石油で活躍する柴崎孝夫氏がエースを務める取手第一高校と対戦。延長11回までもつれる熱戦の末、サヨナラ勝ちを収め、見事に優勝旗を手に入れました。

夏の甲子園出場を目指した同年の都予選では、準決勝で日大第一高校の保坂英二氏、小山良春氏といった好投手と投げ合いましたが、終盤に逆転を許し惜敗。春夏連続の甲子園出場は惜しくも叶いませんでした。

プロ入り後

高校での輝かしい活躍が認められ、但田氏は1969年度のプロ野球ドラフト会議において、阪神タイガースから3位指名を受け、プロの世界に入りました。

プロ入り後は、一軍の舞台での活躍が期待されましたが、残念ながら公式戦に出場する機会に恵まれませんでした。プロ生活は短く、入団からわずか数年後の1972年シーズン終了をもって、現役生活に静かに幕を下ろしました。

プロ在籍期間中、但田氏は背番号を二度変更しています。入団当初の1970年には背番号「35」をつけ、翌1971年からは背番号「50」に変更。この背番号「50」を、引退する1972年まで背負いました。

甲子園で準優勝投手となるなど、高校野球界で華々しい成績を残した但田氏ですが、プロの世界ではその才能を開花させるまでには至りませんでした。しかし、その高校時代の活躍は、今なお多くの高校野球ファンに語り継がれています。

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