住友金属工業蹴球団

概要

住友金属工業蹴球団は、日本のサッカー界において重要な役割を果たしたクラブで、1947年に住友金属工業のサッカー部として誕生しました。最初は大阪府に拠点を置いて活動し、その後茨城県鹿島町に移転。略称は住金とされ、多くのサッカーファンに親しまれました。クラブは日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）に加盟する鹿島アントラーズの前身でもあり、その遺産は現在も多くのサッカー選手やファンに受け継がれています。

歴史

住友金属工業蹴球団は、1947年に住友金属工業蹴球同好会として設立され、1956年には正式にサッカー部に昇格しました。最初の数年間は地域リーグでの活動が中心で、関西サッカーリーグへの昇格を果たすも、1969年には残念ながら降格を余儀なくされました。練習と試合を重ね、1973年には再び関西リーグ優勝を手にし、全国社会人サッカー選手権大会でも栄冠を勝ち取りました。

1974年には日本サッカーリーグ（JSL）2部へ昇格し、さらなる成長を遂げます。1975年には大阪から鹿島町に本拠地を移し、生産力向上の一環と地域活性化を目指して本格的なチーム強化を始めました。その結果、1985年にはJSL1部に昇格し、一時は名門クラブとしてその名を知られるようになります。

1980年代終わりには、Jリーグの設立が見込まれる中で、住友金属もその構想に参画を表明。特に1991年にはブラジル代表のジーコを獲得し、さらなる注目を集めました。地元自治体の支援を受けて、日本初のオールシートサッカー専用スタジアム「茨城県立カシマサッカースタジアム」の建設が決定すると、その支援が決定打となり、1992年にJリーグへの参加が承認されました。

鹿島アントラーズ設立の経緯

住友金属工業の鹿島製鉄所は中心的な事業所であったものの、地域の魅力に乏しく、社内でも鹿島への勤務が避けられる傾向にありました。このため、会社としても地域活性化が重要な課題であると認識していました。1990年には「2000年ビジョン」を策定し、地域社会への貢献を強調。このビジョンが、日本サッカーのプロ化に沿った形で、住友金属のサッカー部もプロリーグ参加の声を上げることにつながりました。

しかし、地域の規模や成績から、プロリーグ加盟に対する批判的な意見が多かったため、最初の試みは難航しました。それでも、ジーコの獲得やスタジアム建設への取り組みが功を奏し、1991年にJリーグ参加が決定。1992年まで住友金属蹴球団としての活動は続き、その後鹿島アントラーズとして新たなスタートを切ります。

主な成績

位地して、住友金属工業蹴球団は、関西サッカーリーグ1部で1度、JSL2部で2度の優勝を果たしました。また、全国社会人サッカー選手権大会でも1回の優勝があります。これらの実績は、彼らの努力と活動が実を結んだ証です。

関係する人物

このクラブには多くの著名な監督や選手が在籍しており、特に鈴木昌氏が団長として重要な役割を果たしていました。彼は後に株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの元代表取締役社長としても知られています。

住友金属工業蹴球団は、多くのファンに愛されたクラブであり、その精神は現在も鹿島アントラーズに引き継がれています。

もう一度検索