住江岸子

住江岸子の生涯と舞台経歴

住江岸子（すみのえ きしこ）、本名は伊藤千代。彼女は1904年1月13日に大阪府大阪市東区で生まれ、1996年2月20日に没しました。岸子は、元宝塚少女歌劇団の月組及び花組で主演娘役として知られる著名な人物です。彼女の芸名は、小倉百人一首の第18番にある詩から取られており、この詩は「住江の岸に寄る浪、夜さえや夢の通ひ路、人目避くらむ」という一節を含んでいます。

若き日の岸子と宝塚歌劇団への入団

岸子は1917年、13歳で宝塚少女歌劇団の5期生として入団しました。同期には春日花子や雪野富士子といった後のスターダムにのし上がる人々が名を連ねています。彼女の舞台デビューは早く、宝塚での活躍を通じて多くのファンを魅了しました。

芸能界でのキャリアの変遷

彼女の宝塚少女歌劇団での活動は長い期間に及びましたが、1926年9月に22歳で一度退団しました。しかし、彼女の宝塚への情熱は消えることなく、1927年8月に23歳で再び戻ってきました。復帰に際しては雑誌『歌劇』に特集記事が掲載され、期待と感動の声が高まりました。彼女の復帰は多くのファンにとって驚きと喜びをもたらしました。

岸子は1926年から1930年にかけて数多くの舞台に出演し、各演目で重要な役割を担いました。彼女が関わった作品は、当時の宝塚歌劇団の転機を形成したものとして今も語り継がれています。特に印象的な作品には、『文殊と獅子』や『ジヤンヌ・ダルク』などがあります。

主な舞台出演歴

宝塚少女歌劇団在籍中、岸子は以下のような作品に出演しました：

• - 文殊と獅子（1919年3月20日 - 5月20日）
• - 風流延年舞（1919年7月20日 - 8月31日）
• - ジヤンヌ・ダルク（1919年10月20日 - 11月30日）
• - 餘吾天人（1920年1月1日 - 1月20日）
• - 春の流れ（1922年3月15日 - 4月30日）

など、数えきれないほどの作品を通じて彼女はその才能と魅力を発揮しました。

宝塚歌劇団退団後

1930年3月10日に彼女は再度宝塚少女歌劇団を退団しましたが、その後も舞台界での影響力を発揮しました。岸子は1996年にその生涯を閉じるまで、宝塚における重要な存在であり続けました。

住江岸子の人生は、劇中での華やかな存在感だけではなく、さまざまな挑戦を乗り越えてきた演技者としての誇りの象徴でもありました。彼女の物語は、今なおたくさんの人々に語り継がれ、宝塚歌劇団の歴史と文化に大きな影響を与えています。

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