佐々木大樹 (彫刻家)

佐々木 大樹について

佐々木 大樹（ささき たいじゅ、1889年12月25日 - 1978年11月8日）は、日本を代表する彫刻家として知名度の高い人物です。富山県下新川郡愛本村（現在の黒部市宇奈月町音沢）に生まれた彼は、裕福な家庭に育ち、7人兄妹の中央に位置する子供でした。彼の本名は長次郎です。

学歴とキャリアの始まり

富山県立工芸学校を卒業後、1914年に東京美術学校の彫刻科を終了します。この教育背景が、彼の後の作品に大きな影響を与えることになりました。1920年には、彼の代表作の一つ『誕生の頃』を第2回帝国美術院展覧会に出品し、特選に選ばれました。この受賞により、彼の名声は一気に高まり、その後の活動の基となる重要なステップとなりました。

1929年には、さらに注目を浴びる作品『紫津久』を発表し、帝国美術院賞を受賞。これにより、彼の彫刻家としての地位は確固たるものとなり、次第に教職にも進出します。1935年には帝国美術学校（現・武蔵野美術大学）の教授に就任し、この職においても多くの後進の指導にあたりました。

人物像と社会的活動

彼の活動は彫刻制作だけに留まらず、社会的な貢献にも広がっていました。1937年には、著名な教育者ヘレン・ケラーに塙保己一の像を贈るなど、文化的な交流を大切にしていました。1951年には多摩美術大学の教授に就任し、1957年には同大学の理事に選出されました。このように、教育現場での役割も果たしながら、自身の作品制作を続けました。

1971年には宇奈月町の名誉町民に選ばれ、地域社会への貢献も評価されました。

大観音像の制作

1975年からは重要なプロジェクト、大観音像（平和の像）制作に着手します。原型が完成し、中間像まで制作が進む中、残念ながら彼は1978年11月8日に亡くなりました。彼の遺志を継了承した五男の佐々木日出雄がその後、この大観音像の制作を引き継ぎ、1982年10月には高さ12.7m、重さ29tのブロンズ像が完成して、黒部市の大原山山頂に建立されました。

まとめ

佐々木大樹の彫刻は、彼の生涯を通じて培われた芸術的感性の結晶であり、現代においても多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品や業績は、彫刻界における重要な文化遺産として、今後も語り継がれていくことでしょう。

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