佐々木昌信

佐々木昌信 - 元プロ野球審判員

佐々木昌信（ささき まさのぶ、1969年8月6日生まれ）は、群馬県館林市出身の元プロ野球審判員であり、浄土真宗の僧侶です。彼は、NPBの審判員として袖番号38を有し、2014年以降はクルーチーフを務めました。

経歴と野球への道

佐々木は館林市立第一小学校、館林市立第一中学校、群馬県立館林高等学校を経て、大谷大学の文学部真宗学科に進学。小学校時代には剣道に親しんでいたものの、高校に入ると本格的に野球を始めました。実家が浄土真宗の寺であるため、幼少期から仏教に触れ、大学生活においても伝統を重んじる一環として仏教の学びを深めることを選びました。

大学では硬式野球部に所属し、一塁手と外野手としてプレーを経験。特に大学2年次には京滋大学野球リーグの優勝を果たし、3年秋にはベストナインに選出されるなど、成績を残しました。しかし、卒業後は社会人野球へ進む可能性も考えつつ、審判員としてのテストを受ける機会を得ました。意外にも、そのテストに合格し、佐々木はプロ野球審判へと進むことになりました。

プロ審判としてのキャリア

1992年にセントラル・リーグの審判員としてデビューし、1995年には阪神タイガース対広島東洋カープの試合で三塁塁審として初出場。2020年には2414試合に出場し、その中でオールスターゲームにも4回、日本シリーズには6回出場するなど、豊富な経験を積み重ねてきました。特に、若いうちに1000試合を達成したことは彼のキャリアにおいて大きな誇りとなっています。

佐々木が経験した試合の中には、彼にとって忘れられない瞬間も多々あります。例えば、2009年の試合では、ホームランの判定について中日ドラゴンズの監督に長時間の抗議を受ける珍事もありました。この時、判定は覆らず試合はヤクルトが勝利、監督は退場処分となるなど、激しいやり取りが繰り広げられました。

また、彼の独特なストライクコールや立ち振る舞いは話題となり、特に東京ドームでの試合中に著名な選手たちに模倣される場面もありました。審判としてのキャリアが進む中で、2012年まで使用していたヘルメット一体型マスクから従来型に戻すなど、振る舞いにも変化がありました。2016年には通算2000試合出場を達成し、さらなる実績を築いています。

退職後の活動

佐々木は2020シーズンをもってNPBの審判を引退し、実家の寺を継ぐ決断をしました。引退試合は2020年11月4日のメットライフドームで行われた埼玉西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズ戦。また、彼は審判員としての役割を維持し続けることができたのは、彼にとって特別な意味を持つものでした。

引退後は、住職としての活動を続ける一方で、東都大学野球連盟での審判員としての職務も引き受けています。日本の野球界での経験を活かし、若手審判員の育成にも力を入れています。

著作と表彰

さらに、佐々木は自らの経験を元にした著書『プロ野球 元審判は知っている』を2022年に出版。彼の知識と経験が詰まった一冊として注目されています。また、彼は2006年にセントラル・リーグ審判員奨励賞、2015年には最優秀審判員賞を受賞するなどの表彰も受けています。彼の審判としての功績は、プロ野球界における重要な部分の一翼を担ってきました。

佐々木昌信は、プロ野球の審判員としてだけではなく、仏教の僧侶としても多忙な日々を送り、今後もその活動が期待されています。

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