佐々木節

佐々木 節：日本の宇宙物理学を牽引する研究者

佐々木節氏は、1952年生まれの日本の宇宙物理学者です。その卓越した研究業績と指導力から、日本の宇宙物理学界において重要な役割を果たしており、現在、カブリ数物連携宇宙研究機構の副機構長兼特任教授として活躍しています。また、京都大学基礎物理学研究所の所長も務めた経験を持ちます。

佐々木氏の専門は宇宙物理学、中でも一般相対論と宇宙論です。京都大学大学院理学研究科で天体核物理学を専攻し、1981年には「The radiation reaction effects in the solutions of the perturbed Einstein equations（摂動されたアインシュタイン方程式の解における輻射の反作用効果）」という題の博士論文で理学博士号を取得しました。

博士号取得後は、日本学術振興会奨励研究員、京都大学理学部助手、広島大学理論物理学研究所助[[教授]]、京都大学基礎物理学研究所助[[教授]]、大阪大学理学部教授、そして再び京都大学基礎物理学研究所教授へとキャリアを重ねてきました。その間、1981年から中村卓史氏と共に、ブラックホール時空の摂動を数値的に安定に計算するための基礎方程式である「佐々木-中村方程式」を導出するなど、数々の重要な研究成果を発表しています。

佐々木氏の研究活動は多岐に渡ります。特に、一般相対論のアインシュタイン方程式の数値計算においては、大学院時代から中村卓史氏、前田恵一氏、観山正見氏らと共同研究を行い、着実な成果を上げてきました。小玉英雄氏との共同研究によるゲージ不変な宇宙論的摂動論の研究も高く評価されています。初期宇宙のインフレーションや高次元重力理論など、現代宇宙物理学の最先端を担うテーマにも精力的に取り組んでおり、その業績は国内外で高く評価されています。

その功績から、数々の賞を受賞しています。1997年には日本天文学会林忠四郎賞（小玉英雄氏と共同受賞）と日本物理学会論文賞を受賞。2007年にはフンボルト賞、2010年にはDaiwa Adrian Prizeを受賞するなど、その研究活動は国際的にも高く評価されています。

また、佐々木氏は『一般相対論』（産業図書、1996年）を執筆するなど、研究成果の普及にも積極的に取り組んでいます。後進の育成にも力を注いでおり、多くの学生や研究者を指導し、日本の宇宙物理学界の発展に貢献しています。

佐々木節氏の研究は、一般相対論や宇宙論の基礎的な理解を深めるだけでなく、宇宙の進化や構造の解明に大きく貢献しています。その継続的な研究活動と指導は、将来の宇宙物理学研究者育成にも繋がっていると言えるでしょう。彼の今後の研究活動にも大きな期待が寄せられています。

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