佐波城山公園

佐波城山公園（さばしろやまこうえん）は、広島県福山市佐波町城山に位置する歴史ある公園です。この公園は中世に作られた「佐波城」跡の一部にあたり、1925年に福山市で初めて整備された浄水場、あるいは「佐波浄水場」の跡地に設けられています。公園は2014年4月1日に一般に開放され、桜の名所としても人気があります。

概要

佐波城山公園は、福山市中心部を流れる芦田川に近く、国道2号の神島橋から南西へ約2キロメートルの場所に位置しています。周囲には歴史的な背景を持つ文化財も存在し、福山市内で文化財がある公園としては福山城址公園と並ぶ2つの公園の一つです。

公園の敷地は約17,000平方メートルで、平地部分は約10,000平方メートルです。公園内には約80本のソメイヨシノが植栽されており、特に春には美しい花見スポットとなります。また、照明やベンチ、トイレなどの附帯施設も完備されており、訪れる人々にとって快適な環境が提供されています。入場は無料で、訪問者はゴミを持ち帰ることが求められています。

文化財

2014年時点で、佐波城山公園内には以下の3つの国の登録有形文化財があります。これらの建物は、いずれも1925年に浄水場が完成したときから存在しているもので、現在はフェンスに囲まれているため内部には立ち入れません。

1. 配水池
敷地の東端に位置するこの配水池は、鉄筋コンクリートと煉瓦を混合した構造で、南北32メートル、東西29メートルの大きさを誇ります。深さは3.8メートルで、2つの貯水槽から構成されています。また、中央の出入口の上には、初代市長の阿武信一が記した「不舎晝夜」という石額が飾られています。

2. 浄水井上屋
浄水井上屋は配水池の西側に位置する管理棟で、石造と煉瓦造の混合で平屋建てです。内部は限られた面積ですが、当時の浄水施設を支えた重要な建物です。

3. 浄水場門
敷地の東面にある門は、石造と煉瓦造の混合で、地元での長い歴史を物語っています。門柱の高さは2.4メートルで、そこから続く道は往時の面影を残しています。

佐波城の歴史

公園の名前に由来する「城山」という地名は、かつてこの地域に存在した山城「佐波城」に由来しています。この城はかつて地元の豪族である佐波氏によって築かれ、南北朝時代には重要な要害として機能していました。ただし、城がどの時代まで使用されたかは定かではなく、記録は限られています。

浄水場の役割

佐波浄水場の歴史は、福山城を築城した水野勝成による上水道の整備から始まります。1888年に福山で初めての水道が完成しましたが、老朽化が進み、近代的な水道の整備が求められるようになりました。1916年に市制施行後、浄水場の設立が進められ、1925年に完工しましたが、1977年には老朽化により廃止されました。

公園へのアクセス

交通アクセスも良好で、バス「神島橋西詰」停留所からは徒歩約5分、JR福山駅からは車で15分ほどで到着します。また、山陽自動車道の福山東インターチェンジや福山西インターチェンジからも車でアクセス可能で、訪れるのに便利な立地にあります。

佐波城山公園は、自然に親しむだけでなく、歴史や文化を感じることができる場所として、地元の人々や観光客に広く親しまれています。

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