佐藤爽

佐藤爽（さとう そう）は、2003年2月9日に北海道北広島市で生を受けた、プロ野球界で期待される左腕投手である。左投げ左打ち。2025年シーズンより、育成選手として埼玉西武ライオンズの一員となる。

野球との最初の出会いは、地元の小学校2年生の時だった。北広島イーストグローリーで競技を始め、野球の基礎を学ぶ。中学時代は硬式野球の世界に進み、札幌豊平ボーイズで技術を磨いた。

札幌山の手高校へ進学後、野球部で活動を続ける。2年秋には、チームにとって歴史的な3度目の全道大会進出を経験する。しかし、その全道大会では初戦にあたる2回戦で帯広農業に惜敗し、高校3年間を通じて、この2年秋の全道大会2回戦進出が最高成績となり、全国レベルで目立った実績を残すには至らなかった。

高校卒業後、星槎道都大学へと進学し、野球を続ける。大学1年春から早くもリーグ戦のマウンドに立つ機会を得た。チームは2年秋に4シーズンぶりとなるリーグ優勝を果たすものの、明治神宮大会への切符をかけた北海道地区代表決定戦では東農大オホーツクに敗れ、全国大会出場は叶わなかった。転機が訪れたのは3年時からである。この頃から佐藤の才能が本格的に開花し始め、3年春のリーグ戦では見違えるような活躍を見せ、最優秀投手賞とベストナインに輝く。彼の牽引もあり、チームも2季連続でリーグを制覇し、全日本大学選手権への出場権を獲得する。続く3年秋のリーグ戦ではチームは惜しくも準優勝に終わるが、個人としては優秀投手賞に選ばれ、安定した実力を示した。圧巻だったのは4年春のリーグ戦である。このシーズン、佐藤は30回と1/3という驚異的な連続無失点記録を樹立するなど、5勝0敗、防御率0.47という圧倒的な成績を収める。チームを再びリーグ優勝へと導き、自身も最高殊勲選手賞、最優秀投手賞、特別賞、ベストナインと、主要タイトルを総なめにした。この勢いのまま臨んだ全日本大学選手権では、初戦の仙台大戦に先発したが、5回途中で9失点（自責点3）を喫して降板、チームも敗退するという悔しい結果となった。最後のリーグ戦となった4年秋は、チームは再び準優勝だったものの、個人としては優秀選手賞と優秀投手賞を受賞し、大学野球のキャリアを締めくくった。

大学での目覚ましい活躍が評価され、2024年10月24日に開催されたプロ野球ドラフト会議にて、埼玉西武ライオンズから育成選手として4位指名を受けた。念願のプロ入りが決まり、11月17日には推定金額ながら支度金350万円、年俸400万円という条件で仮契約を締結した。12月1日に行われた新入団選手発表会でお披露目され、プロ野球選手としての第一歩を踏み出すことになる。その際、背番号は133と発表された。なお、ライオンズにはすでに同姓の佐藤隼輔投手と佐藤龍世選手が在籍しており、さらにこの年のドラフト会議では、同期として佐藤太陽選手も入団したため、スコアボードや報道での表記は「佐藤爽」、ユニフォームの背ネームは「S.SATOH」とすることで、他の佐藤選手との区別が図られることになった。

投手としての佐藤爽は、最速148km/hを計測する力強いストレートを軸に、変化球としてはスライダー、カーブ、チェンジアップなどを効果的に投げ分ける。特に大学時代に磨き上げた制球力と投球術は、プロの世界でも通用する可能性を秘めている。

星槎道都大学で圧倒的な実績を残し、満を持してプロの扉を叩いた佐藤爽。育成からのスタートではあるが、そのポテンシャルと向上心をもってすれば、早期の支配下登録、そして一軍のマウンドで活躍する日もそう遠くないだろう。プロの世界でさらなる進化を遂げ、ライオンズ投手陣の一角を担う存在となることが期待されている。

背番号:
133（2025年 - ）

もう一度検索