佐須川

佐須川（さすがわ）について

佐須川は長崎県対馬市の下対馬中央部を横断し、西側の対馬海峡西水道へと流れ込む二級河川です。この川は、対馬の主要な河川の一つであり、仁田川や佐護川に次ぐ位置にあります。流域面積は約40.2平方キロメートルで、長崎県内の河川の中では第9位という規模です。

流域の特徴

佐須川は矢立山系の北斜面に源を発しており、上流は対馬の最高峰である矢立山（648.40m）や、その周辺の舞石ノ壇山（536m）や有明山（558m）といった山々に囲まれています。矢立山の北側から流れ出すシワコウ川と舞石ノ壇山から流れ出す佐須川は、日掛地区で合流し、その後西へと流れ続けます。

日掛地区にはダムが設置されており、狭い谷底平野が広がります。この地域では川が集落や水田の間を蛇行しながら流れ、さらに日見川や小茂田川など他の川と合流した後、対馬海峡西水道に注ぎます。河口には港が整備されており、右岸には小茂田浜海水浴場もあります。

中流から下流にかけては、長崎県道44号が川沿いに並走し、河口付近には長崎県道24号の橋が架かっています。これによってアクセスも良好で、多くの地域住民や観光客が利用しています。

流域の歴史と文化

この流域には多くの史跡が点在しています。

矢立山古墳群

佐須川の下流に位置し、国の史跡に指定されています。古代の人々がどのように生活し、死者を弔っていたのかを知る重要な遺跡です。

対馬銀山・亜鉛鉱山・若田石

流域では674年に銀が産出された記録が残っており、日本最古の銀山とされています。近代においては、東邦亜鉛対馬鉱業所が1973年まで操業していました。また、硯の原料として知られる「若田石」の産地でもあります。

小茂田古戦場

この川の近くには元寇の古戦場があり、文永の役の際には対馬に数千の元軍が上陸しました。その際、対馬国の地頭である宗助国が80名ほどの兵と共に元軍を迎え撃ち、戦死しました。助国や彼の部下は小茂田浜神社に祀られています。

結論

佐須川は自然だけでなく、歴史的な観点からも興味深い地域です。流域には多くの集落が存在し、その文化や歴史を体感することができます。訪れることで、対馬の自然の美しさと歴史の深さを感じることができるでしょう。

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