保谷俊夫

保谷 俊夫

保谷 俊夫（ほうや としお、1948年4月10日 - 2010年7月3日）は、東京都出身のプロ野球選手（投手）、後に球団職員として阪急およびオリックスの発展に貢献した人物です。

プロ入り前

東京都に生まれ、日大一高に進学。高校時代は投手として、同期の桜井憲とともに左右の本格派投手としてチームを牽引しました。1966年の春季関東大会では決勝に進出。浅野高を相手に勝利を収めたこの試合では先発のマウンドを任され、勝利に貢献しています。同年夏の甲子園を目指した東京都予選では6回戦で敗退しましたが、182cmという恵まれた長身から投げ下ろす速球は威力があり、将来を嘱望される存在でした。高校の同期には、後に社会人野球の富士重工業で活躍する捕手の村上修がいます。

プロ野球選手時代

1966年に行われた第1次ドラフト会議において、阪急ブレーブスから4位指名を受け、入団しました。プロ入り後は一軍登録されるものの、残念ながら公式戦での登板機会は訪れませんでした。プロの厳しい世界で7年間（1967年から1973年）プレーしましたが、一軍のマウンドに立つことは叶わず、1973年限りで現役を引退しました。

現役時代の背番号は「37」（1967年 - 1973年）でした。

引退後

現役を退いた後も、保谷氏は長年にわたり阪急・オリックス球団の裏方として貢献を続けました。スコアラーやマネージャーといった要職を歴任し、チームを支えました。特に1994年からはファーム担当として、若手選手の育成に情熱を注ぎ、多くの未来ある選手たちの成長を見守りました。そして、2002年からはオリックスの選手寮「青濤館」の寮長を務め、選手たちの生活面や精神面をサポートする役割を担いました。

最期

2010年7月3日、神戸市内で脳幹出血のため、62歳で急逝しました。突然の訃報は球界に深い悲しみをもたらしました。葬儀の際には、前日の試合で一軍・二軍ともに勝利した際に使用されたウイニングボールが手向けとして添えられ、生前の球団への貢献と、選手たちから慕われていた人柄が偲ばれました。

保谷氏は、プロ野球選手としては華々しい記録を残すことはできませんでしたが、引退後の長きにわたる球団職員としての活動、特に若手育成や寮長としての献身的な姿勢は、多くの選手や関係者から尊敬を集めていました。

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