信貴山真言宗

信貴山真言宗について

信貴山真言宗（しぎさんしんごんしゅう）は、毘沙門天（多聞天）を本尊とする真言宗の一つです。この宗派の総本山は朝護孫子寺（信貴山寺）で、歴史は飛鳥時代に遡ります。特に聖徳太子が物部守屋を討伐する際の戦勝を祈願したことから、この信仰が始まったと言われています。独立した宗派としての信貴山真言宗の発足は1951年（昭和26年）で、高野山真言宗から分派されました。その後、翌年の9月に正式に認証を受けましたが、教義に関する大きな変更はありません。現在では聖徳太子による信貴山寺の創建をもって、この宗派の開宗が行われたと考えられています。

歴代管長

信貴山真言宗の管長は、朝護孫子寺の住職が兼務しています。これまでの歴代管長は以下の通りです。
1. 野澤密全（第129世）
2. 鈴木了道（第130世）
3. 田中真弘（第131世）
4. 鈴木凰永（第132世）
5. 野澤密厳（第133世）
6. 田中真瑞（第134世）
7. 鈴木貴晶（第135世）
8. 野澤密孝（第136世）

宗紋および寺格

信貴山真言宗の宗紋は「毘沙門亀甲」で、総本山である朝護孫子寺は奈良県平群町に位置します。また、大本山には千手院、成福院、玉蔵院があり、いずれも信貴山の山内に存在します。末寺としては、信貴山奥之院（奈良県）、毘沙門院（茨城県）、釈迦院（千葉県）、深山寺（神奈川県）、東福寺（大阪府）などがあります。さらに、信貴山東北別院宝寿院（岩手県）、円通寺（埼玉県）、遠州信貴山（静岡県）、千福寺（三重県）、大窪寺（大阪府）、高知別院竜王寺（高知県）、佳福院（兵庫県）、宗園院（大分県）、讃岐別院寶性寺（香川県）など、数多くの別院も存在しています。

宗務組織

信貴山真言宗の組織は、管長が宗派の代表を務め、次いで宗務長、寺務長、華務長がそれぞれの職務を担っています。僧籍は全15級に分類されており、最上級は大僧正、次いで権大僧正、中僧正と続きます。住職は特定の資格を有しており、管長の申請または特命によって任命されます。

年中行事

信貴山真言宗には多くの年中行事が存在します。例えば、1月には修正会、成人の日には信貴山真華流献華法要、2月には節分会、4月には灌仏会があります。また、毎月1日には毘沙門天王縁日法要が行われています。特に、12年に一度行われる寅年2月の毘沙門灌頂は、信貴山の重要なイベントです。

教育機関および施設

信貴山真言宗は、種智院大学や洛南高等学校、附属中学校といった教育機関と協同経営しています。また、宝物館（霊宝館）では信仰に関する貴重な財宝が展示されています。

このように、信貴山真言宗は長い歴史を持ち、豊かな文化と伝統が息づく宗派として多くの信者に親しまれています。

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