信長の野望・革新

信長の野望・革新

『信長の野望・革新』は、コーエーテクモゲームスから発売された歴史シミュレーションゲーム「信長の野望シリーズ」の第12作です。2005年にWindows版が、2006年にはPlayStation 2版が発売されました。2007年にはWindows版のパワーアップキット（PK）、2008年にはPS2とWii版のwithPKも登場し、長きにわたり多くのファンに愛されています。

ゲーム概要

本作の目的は、プレイヤーが戦国大名となり、日本全国を支配下に置くことです。従来のシリーズから大きく進化し、内政、外交、戦争がすべてリアルタイムで1枚のマップ上で進行するようになりました。これにより、刻々と変化する戦況に対応した臨機応変な戦略が求められます。コンピューターの思考ルーチンも大幅に改善され、より手ごわい敵大名との知略を駆使した戦いが楽しめます。

前作からの変更点

これまでのシリーズ作品では、戦争と内政・外交は別々の時系列で進行していました。しかし『革新』では、自国と他国の城下がシームレスに繋がっており、1枚のマップ上で全てのコマンドが実行可能です。開発中に敵の攻撃を受ければ、開発担当の武将を急遽出陣させるなど、状況に応じた判断が求められます。

思考ルーチン

過去のシリーズではコンピューターが物資を不正に調達するなどの「チート」行為が問題視されていましたが、本作ではそのような不正行為は一切なく、純粋な戦略と戦術によって勝敗が決まります。難易度設定によってコンピューターの戦術レベルも変化し、上級では数十部隊を同時に展開してくるなど、油断できない戦いが楽しめます。

武将の能力

武将には「格付け」という隠しパラメータが存在し、このパラメータが高いほど好戦的で勢力を拡大しやすい傾向があります。また、格付けが低い武将は、得意な分野とは異なる行動をとってしまう場合があります。これにより、弱小大名と強豪大名の差が明確になり、ゲームバランスに影響を与えています。

内政

城下では、武家町、農村、商人町、職人町、門前町、南蛮町、公家町などの施設を建設できます。それぞれの町で許可されたユニットを建設することで、金銭や兵糧、鉄砲、馬などの資源を生産できます。また、技術革新のための施設や防衛のための櫓も建設でき、内政要素も充実しています。

外交

外交手段も多彩で、自勢力の技術を他大名に提供したり、他大名の技術と交換したりすることができます。同盟締結時には人質を差し出す必要があり、その人質は同盟期限後に解放されます。また、門前町を建設すると来訪する僧侶に、人質返還や停戦交渉を仲介してもらうことも可能です。

イベントと官位

親子や兄弟、主従関係に関連するイベントが多数用意されています。本能寺の変イベントでは、織田信長が生き残る展開にすることもできます。また、官位も重要で、征夷大将軍になると多くの兵力を率いられるようになり、関白になると政治力や統率力が上昇します。ただし、征夷大将軍と関白を兼任することはできません。

技術革新

足軽、騎馬、弓、鉄砲、兵器、水軍、築城、内政の8系統で技術が設定されており、段階的に習得することができます。技術を習得するには、城下に専用の町を建設し、その技術に長けた武将を配置する必要があります。技術は全国統一を大きく左右する重要な要素で、技術開発を軽視するとゲームを進めることが難しくなります。

武将パラメータ

武将の能力パラメータは「政治」「統率」「武勇」「知略」「義理」「相性」の6つです。また、「戦法」という武将固有の特殊能力があり、戦闘を重ねるごとに熟練度が上がっていきます。さらに「出自」と「信仰」のパラメータも存在し、これらの組み合わせによって武将の相性が変化します。相性の悪い武将同士は、忠誠度が下がったり、登用が難しくなったりします。

戦闘

部隊は小さく簡略化され、戦場となる移動範囲も狭くなっています。攻城戦が戦闘の中心となり、野戦は少なくなっています。城の構造は簡略化され、技術革新で得た防御機能が主体となります。城攻めには、力攻めと兵糧攻めの2つの方法があり、状況によって使い分ける必要があります。また、築城適正の高い武将が部隊にいると、地形を利用した特殊な計略も使用できます。

親愛武将と嫌悪武将

武将には親愛武将と嫌悪武将が設定されており、登用や忠誠度に大きく影響します。親愛武将であれば登用しやすく忠誠度も上がりやすい一方、嫌悪武将の場合は登用が難しく忠誠度も下がりやすくなっています。また、歴史イベントやゲーム中の行動によって嫌悪武将となることもあります。

文化人

一定の町並みを形成すると、茶人、僧侶、公家、南蛮人などの文化人が来訪します。彼らは、珍しい道具や技術を売ってくれるほか、外交交渉の手助けをしてくれることがあります。文化人の来訪は、内政や外交を進める上で重要な要素となります。

シナリオ

標準で5つのシナリオが用意されており、インターネット経由で追加シナリオをダウンロードすることもできます。また、チャレンジモードでは、制限時間内に特定の目標を達成するミッションに挑戦できます。これらのモードは、ゲームのやりこみ要素を高めています。

パワーアップキット(PK)について

パワーアップキットでは、新シナリオや新武将、新イベントが追加され、ゲーム内容がさらに充実しています。特に南蛮技術は、ゲームバランスを大きく変化させる要素です。

南蛮技術

南蛮商人との貿易によって、強力な南蛮技術を入手することができます。特産品を各地方で生産し、それらを貿易することで友好度を高め、技術を獲得します。南蛮技術は、既存の技術よりも強力で、ゲーム攻略に大きな影響を与えます。

諸勢力

忍者衆、国人衆、寺社衆、商人衆、水軍衆などの諸勢力を味方に付けることができます。諸勢力は、それぞれ異なる能力を持っており、味方に付けることでゲームを有利に進めることができます。ただし、諸勢力同士には相性があり、同時に全てを味方にすることはできません。

譜代家臣

支城を建設して配下武将に与えることで「譜代家臣」とすることができます。譜代家臣は、他の大名に寝返らず、俸禄も不要となるだけでなく、能力値も上昇します。また、譜代家臣の能力値が一定以上の場合、支城に特殊な効果が付与されます。

その他の変更点

未婚の姫を武将としてゲームに参加させたり、同盟の延長が可能になったり、ゲームバランスが調整されたりしました。また、PK版ではマウスドラッグによる部隊選択が可能になり、より快適にゲームをプレイできます。

『信長の野望・革新』は、リアルタイム制の戦略性と、高度な思考ルーチン、多彩な要素が融合した、非常にやりこみ要素の高いゲームです。戦国時代の歴史を深く理解できるだけでなく、自らの戦略で天下統一を目指す達成感を味わうことができるでしょう。

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