俣野博

俣野 博 (またの ひろし) について

俣野博氏は1952年7月28日に生まれ、日本の数学界で広く評価されている研究者です。彼は東京大学の名誉教授として、特に非線形解析と非線形偏微分方程式の分野で顕著な業績を残しています。彼の専門的な知識と研究は、数学のみならず、物理学や工学においても重要な応用先を持つことから、多くの影響を与えています。

略歴

俣野氏は洛星高等学校を卒業後、1971年に京都大学理学部に入学しました。1975年には同大学院の数理解析専攻の修士課程に進み、1977年に博士課程に進学、1979年には退学しました。その後、東京大学理学部で助手として勤務を開始し、さらに広島大学で講師や助教授を経て、1988年に東京大学理学部の助教授に就任しました。

1991年に教授に昇進し、1992年には東京大学大学院数理科学研究科の教授に就任しました。2017年には退官し、名誉教授となり、翌年には明治大学に特任教授として迎えられました。現在も明治大学で研究推進員として活動を続けています。

職歴

俣野氏の職歴は以下の通りです。

• - 1979年4月: 東京大学理学部助手
• - 1982年4月: 広島大学理学部講師
• - 1985年12月: 広島大学助教授
• - 1988年4月: 東京大学理学部助教授
• - 1991年4月: 東京大学理学部教授
• - 1992年4月: 東京大学大学院数理科学研究科教授
• - 2017年12月: 東京大学退官、名誉教授
• - 2018年1月: 明治大学特任教授
• - 2023年: 明治大学研究推進員（客員研究員）

業績

俣野氏は、反応拡散方程式などの放物型偏微分方程式の解析において無限次元の力学系的視点を取り入れることで、革新的な成果を上げました。特に、放物型方程式の定常解の安定性や漸近挙動の理論的な基盤を確立し、これに基づく抽象的な構造を持つ順序保存力学系の一般論を構築しました。また、1次元の単独放物型方程式の解析に必要な強力な手法である零点数非増大定理の一般論や、爆発問題や漸近挙動への応用など、非線形解析の多岐にわたる分野で先駆的な業績を残しています。

受賞および講演歴

俣野氏は1990年に日本数学会春季賞を受賞し、1994年にはスイス・チューリッヒで開催された国際数学者会議 (ICM) において招待講演を行いました。このような国際的な舞台での活動も、彼の業績の影響力を証明しています。

著作

彼の著作には、多くの数学的知見や教育的内容を含む教科書や専門書があり、以下の著作が特に有名です。

• - 『微分方程式と固有関数展開』(岩波書店)
• - 『常微分方程式入門―基礎から応用へ』(岩波書店)
• - 『現代数学への入門　熱・波動と微分方程式』(岩波書店)
• - 『現代解析学への誘い (現代数学への入門)』(岩波書店)

このように、俣野博氏は数学界において大きな影響を与え続けている、重要な人物であると言えます。彼の研究や業績は、これからも多くの研究者や学生に引き継がれることでしょう。

外部リンク

• - 明治大学公式サイト - 俣野博教授のプロフィール
• - 国立情報学研究所 (NRID) プロフィール

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