俺たちのフィールド

俺たちのフィールド

『俺たちのフィールド』は、村枝賢一による熱血サッカー漫画。1992年から1998年まで『週刊少年サンデー』で連載され、多くの読者の心を掴みました。通称「俺フィー」として親しまれています。

概要

本作は、サッカー選手だった父に憧れる主人公・高杉和也が、少年サッカーから高校サッカー、アルゼンチン留学、プロサッカー、そして日本代表へと、活躍の場を広げながら成長していく物語です。作品中盤からは、1993年のJリーグ開幕、ドーハの悲劇、ワールドカップ・フランス大会出場など、現実の日本サッカー界の出来事と連動した内容が展開され、読者の興奮を呼びました。

企画当初、作者は長期連載を想定していませんでしたが、Jリーグ発足に向けた国内の盛り上がりを受け、JリーグやFIFAワールドカップも作品に取り入れることを決意。サッカーの知識が乏しかった作者は、「正しいフォームを知らなくても躍動感を描ける」という直感からサッカーを題材に選びました。

作者は、安易な人情話に頼らず、登場人物の背景を丁寧に描き、試合内容で読者に感動を与えることを理想としていました。当初は1997年のフランスワールドカップのアジア予選突破で連載を終了させ、決勝で日本とアルゼンチンが対戦するラストシーンを構想していました。しかし、日本代表がワールドカップ初出場を決め、グループリーグ初戦で因縁のアルゼンチンと対戦することが決定したため、アルゼンチン戦までを描くことに変更されました。

ストーリー

サッカー好きの少年・高杉和也は、日本リーグのスター選手である父・貫一と、いつか国立競技場で一緒にプレーすることを夢見ていました。幼馴染の森口愛子や転校生の騎場拓馬と共に、少年クラブでサッカーに打ち込む日々。しかし、貫一が交通事故で亡くなると、和也は父を失った悲しみからサッカーを諦めてしまいます。高校2年生になったある日、和也は末次浩一郎との出会いをきっかけに、再びサッカーと向き合うことになります。

主要な登場人物

高杉 和也（たかすぎ かずや）
本作の主人公。フォワード、攻撃的MF、ボランチなど、様々なポジションをこなすユーティリティープレイヤー。父の死を乗り越え、サッカーへの情熱を再び燃やす。無尽蔵のスタミナと驚異的な瞬発力を持ち、勝利への強い渇望を武器に、日本代表をワールドカップへと導きます。
森口 愛子（もりぐち あいこ）
和也の幼馴染。男勝りな性格で、小学生の頃は和也と同じサッカーチームに所属。短大卒業後はリポーターとして活躍し、サポーターから人気を集めます。和也への想いを秘めながら、彼の成長を応援し、最終的には結婚。
騎場 拓馬（きば たくま）
和也の幼馴染でライバル。フォワード、攻撃的MF。抜群のテクニックを持ち、和也を常に意識しながら、切磋琢磨して成長していきます。高校中退後、ヤマキ自工に入団し、その後セレッソ大阪へ移籍。日本代表では、和也の潜在能力を最大限に引き出すために尽力します。後にアトレティコ・マドリードへ移籍し、得点王争いに名を連ねます。
高杉 貫一（たかすぎ かんいち）
和也の父親。日本リーグ・ヤマキ自工の中心選手。交通事故で他界するが、和也や拓馬に大きな影響を与えます。

作品の魅力

『俺たちのフィールド』は、サッカーの熱い試合描写はもちろんのこと、登場人物たちの人間ドラマが魅力です。友情、ライバル関係、恋愛など、様々な要素が織り交ぜられ、読者の心を揺さぶります。また、Jリーグ開幕やワールドカップなど、現実のサッカー界の出来事とリンクした展開は、当時のサッカーファンにとって大きな共感を呼びました。

まとめ

『俺たちのフィールド』は、サッカーファンだけでなく、多くの人に感動を与える名作です。主人公・高杉和也の成長を通して、夢を追いかけることの素晴らしさ、仲間との絆の大切さを教えてくれます。熱いサッカー描写と人間ドラマが融合した本作を、ぜひ手に取って読んでみてください。

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