俺たちの勲章

俺たちの勲章

『俺たちの勲章』は、1975年4月から9月まで日本テレビ系列で放送された刑事ドラマであり、当時の日本のテレビ界に新風を吹き込んだ作品です。全19話で構成され、毎週水曜日の20時から20時55分まで放送されました。製作は東宝が行いました。

物語の概要

このドラマは、横浜を舞台に架空の警察組織「相模警察」の本部捜査一係に所属する中野祐二（松田優作）と五十嵐貴久（中村雅俊）の二人の若手刑事の活躍を中心に展開されます。性格も立場も異なる二人がどのような事件に立ち向かい、成長していくのかを描いた青春ドラマの側面を持つところが、他の刑事ドラマとは一線を画しています。

特に、主人公たちが上司や先輩から「厄介者」として扱われるという設定は、仲間意識やチームワークが重視される傾向のある同時期の作品とは異なるアプローチを取っています。この格差は、彼らが孤立した存在として描かれることで強調されており、結果的に彼らの成長過程が際立てられています。

キャストとキャラクター

中野祐二（松田優作）

主演の中野は、25歳で犯罪を厳しく取り締まることを信念としています。強い洞察力と体力を持ち、空手三段の腕前を誇ります。射撃も得意ですが、その情熱から行き過ぎた捜査を行うことが多く、警察組織からは疎まれる存在に。しかし、彼は自らの信念を貫き、最終的には田舎の支局に左遷される運命を受け入れます。

五十嵐貴久（中村雅俊）

24歳の五十嵐は、仙台市警から転任してきた新米刑事で、愛称は「アラシ」です。事件の防止を重視し、人間的なアプローチを取るヒューマニストですが、時にその考えが災いし、最終回では警察の捜査を妨害して辞職する道を選びます。

その他のキャスト

この作品では主要キャストだけでなく、多数の脇役たちも個性豊かに描かれています。例えば、二人の直属の上司野上係長（北村和夫）や、中野と五十嵐の数少ない理解者宮本コンピューター室長（柳生博）などが登場し、それぞれの関係性が物語に深みを与えています。

音楽と制作

音楽は吉田拓郎が担当し、ドラマの雰囲気を高めています。また、この作品は『太陽にほえろ!』のスタッフが多く参加しており、同じプロデューサーの下で制作された点も見逃せません。

補足情報

当初、放送は26話を予定していましたが、プロ野球中継が複数回放送される影響で、最終的には19話が実際に制作される結果となりました。ドラマのテーマ曲や挿入歌も評価が高く、観る者の心に残る作品として評価されています。さらに、シリーズ第1作として後の関連作品にも影響を与えた点でも重要な位置を占めています。

『俺たちの勲章』は、その斬新なアプローチと確かな演技力によって、日本の刑事ドラマの歴史に名を刻むこととなりました。

もう一度検索