俺たちの朝

概要

『俺たちの朝』は1976年から1977年にかけて日本テレビで放送された青春ドラマです。この作品は全48回にわたり、毎週日曜日の20時から放送されました。主演は勝野洋が務め、物語は鎌倉を舞台に、若者たちの夢や友情を描いています。勝野洋の初主演作品となり、前作『俺たちの旅』の人気を引き継ぐ形で制作されました。

制作の背景

本作は、本来全13話の予定でしたが、視聴率が良好だったため全26話に延長され、最終的には1年間にわたるロングラン放送となりました。このため、出演者のギャラも引き上げられることになり、彼らは他の仕事を断りながら、本作の撮影に臨んでいました。当初の舞台設定は別の場所でしたが、撮影許可が下りなかったため、当時観光地としてまだ新しい鎌倉が選ばれることになりました。

小倉一郎が語るところによれば、勝野洋が『太陽にほえろ!』で殉職することを受け、岡田晋吉が彼をスターにするための新たなドラマを製作することにしたそうです。このドラマはフィルムで撮影され、毎日のように鎌倉の各地で撮影が行われました。

物語のあらすじ

物語は、修学院大学を中退した修治（通称オッス）と、その友人の勇夫（チュー）が下宿先を追い出されたところから始まります。偶然出会ったオッスの幼なじみ、太作（ヌケ）を追った二人は、リヤカーを引いて鎌倉へ向かいます。その後、東京美術大学に通う麻子（カアコ）と出会い、4人で共同生活を始めることとなります。

オッスは海が大好きで、スイミングクラブで働きながらヨットでの航海を夢見ています。一方でチューは役者を目指し、カアコは染色デザイナーを志しています。彼らはさまざまな困難に直面しながらも、友情を深め合い、時には夢が遠のくこともあります。それでもオッスは父から受け継いだ資金を使い、念願の航海に出ることになります。

作品の影響

『俺たちの朝』は昭和50年代前半における鎌倉のイメージに大きな影響を与えました。このドラマが放送されたことで、鎌倉は観光名所としても知られるようになり、江ノ島電鉄の利用者数が増加しました。作品内での主人公たちの生活や友情が視聴者に愛され、特に極楽寺駅周辺は多くの若者で賑わうようになりました。さらに、当時の江ノ島電鉄の木製の伝言板が壊れた際には、番組制作側が鋼製の伝言板を寄贈するなどのやりとりも生まれました。

登場人物

主要なレギュラーキャストには、修治役の勝野洋をはじめ、チュー役の小倉一郎、カアコ役の長谷直美などがいます。また、準レギュラーには中村良則や田口貴代など、多くの個性豊かなキャラクターが出演しています。

音楽

ドラマの主題歌は松崎しげるが歌う「俺たちの朝」で、作詞は谷川俊太郎、作曲は小室等が手掛けています。さらに、ドラマ内で使用された挿入歌も多く、特に「海が呼んでる」などは印象的なシーンで流れました。

関連商品

本作品は音楽CDやノベライズ、さらにDVDボックスとしてもリリースされており、視聴者からの支持を受け続けています。特にDVDについては、多くのファンにとって待望の映像ソフト化となりました。

『俺たちの朝』は当時の青春を反映した作品であり、鎌倉の魅力や若者たちの情熱を伝え続けています。

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