倉林正次

倉林正次：日本の祭祀研究を牽引した碩学

倉林正次（1925年9月27日 - 2024年11月6日）は、日本の日本史学者・民俗学者であり、特に日本の儀礼文化全般、宮中祭祀、そして埼玉県内の民俗学研究において顕著な業績を残しました。國學院大學で文学博士号を取得し、日本の祭祀研究の第一人者として広く知られています。

生涯

埼玉県秩父郡皆野町出身の倉林は、旧制埼玉県立熊谷中学校を経て、1950年に國學院大學文学部日本文学科を卒業しました。その後、埼玉県神社庁や神社本庁での職務を経て、1963年に國學院大學大学院文学研究科日本文化専攻博士課程を単位取得満期退学。大学講師、助教授、教授として教鞭を執りました。1968年から1970年までは西ドイツ・ボン大学の客員教授も務めています。

1981年には儀礼文化学会の理事長に就任し、1996年には国学院短期大学の学長に就任。2001年に退任後は、國學院大學名誉教授として、また國學院大學大学院文学研究科兼任講師、神社本庁兼任講師として後進の指導に当たりました。2002年には、その功績が認められ、勲三等瑞宝章を受章しています。

研究内容

倉林正次の専門は、日本の儀礼文化全般に及びます。特に、宮中祭祀や埼玉県内における民俗学研究に力を注ぎました。その研究は、文献研究に留まらず、フィールドワークを重視したものであり、日本の祭りの起源や構造、そしてそこに込められた人々の想いを深く掘り下げています。

主要な著書

倉林正次は、数多くの著作を通じてその研究成果を発表しました。以下に主要な著書を挙げます。

『饗宴の研究』桜楓社　1965－1992
『埼玉県民俗芸能誌』錦正社　1970
『埼玉（日本の民俗　11巻）』第一法規　1972
『祭りの構造　饗宴と神事』日本放送出版協会　1975
『祭りの起源と展開』編集委員　名著出版　1978
『日本の祭り・心と形』主婦の友社　1979
『儀礼文化序説』大学教育社　1982
『天皇の祭りと民の祭り』第一法規　1983
『日本のまつりと年中行事事典』編著　桜楓社　1983
『冬から春へ　祭祀文化の基層を探る』桜楓社　1992
『祭りのこころ』おうふう　2002
『儀礼文化学の提唱 日本文化のカタチとココロ』おうふう　2011

これらの著作は、日本の祭祀研究における重要な文献として、今日でも広く参照されています。

倉林正次の遺産

倉林正次は、日本の祭祀研究において多大な足跡を残しました。その研究は、日本の文化や社会を理解するための重要な手がかりを提供しています。また、後進の育成にも力を注ぎ、多くの研究者を育てました。倉林正次の業績は、今後も日本の文化研究において、重要な意義を持ち続けるでしょう。

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