倉野憲司

倉野憲司について

倉野憲司（くらのけんじ）は、1902年3月9日に福岡県に生まれ、1991年2月28日に逝去した日本の著名な国文学者です。彼は東京大学で文学博士の学位を取得し、長い教育者のキャリアを通じて多くの学校で教鞭を執りました。主な経歴として、福岡女子大学の名誉教授を務めたことが挙げられます。

学歴と職歴

倉野は1926年に東京帝国大学の文学部国文学科を卒業し、以降は成城高等学校で教職を開始しました。その後も東京女子大学、広島文理科大学、文部省図書監修官、神宮皇學館大学の教授等、様々な職位を歴任。戦後には鈴鹿高等学校での教諭を経て、1950年に福岡女子大学教授に就任しました。

福岡女子大学では、1952年に学生部長、1956年には文学部長、1962年から図書館長を歴任しました。また、1964年から1972年にかけては学長として大学を率い、名誉教授に退いた後も多くの顕彰を受けました。特に、勲二等瑞宝章の受章や、大学の校歌の作詞などの功績があります。

研究業績

倉野憲司は特に『古事記』に関する研究で知られ、その成果は学術界でも高く評価されています。彼の代表的な著作である『古事記全註釈』は、その優れた解説により、古事記の研究に大きな影響を与えました。1981年にはその成果が認められ、西日本文化賞の学術文化部門を受賞しました。

倉野はまた、古事記学会の会長や全国大学国語国文学会の理事を務めるなど、学会活動にも積極的に参加しました。彼の研究成果は、古事記の新たな解釈や理解を促進するものとなり、多くの学生や研究者に影響を与えました。

主な著作

倉野憲司の著書には多くの重要な文献があります。代表的な作品には以下のようなものがあります。

• - 『古事記の新研究』(1927年)
• - 『古代文学研究』(1929年)
• - 『上代文学新選』(1929年)
• - 『新訂要註方丈記』(1933年)
• - 『古事記全註釈 全7巻』(1973-1980年)

これらの著作は、古事記の研究に対する彼の広範な知識と深い洞察を反映しており、後の研究者たちにとって貴重な資料となっています。彼の研究は、古代文学や日本の文化理解に大きく寄与しています。

まとめ

倉野憲司は、日本の国文学研究において重要な役割を果たした人物であり、その業績は今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼の研究と方針は、将来の文学者や弘める者たちにとっての道標となることでしょう。

もう一度検索