倫敦館夜想曲

倫敦館夜想曲

『倫敦館夜想曲』は、野村あきこによる日本の漫画作品。講談社発行の『Amie』及び『なかよし ふゆやすみらんど』にて1997年から2000年にかけて発表された全4話からなるシリーズ。

概要

本作は、大正時代を舞台に、主人公の少女・寿神奈とその義弟・寿乙彦が、様々な怪事件に巻き込まれ、その謎を解き明かしていく推理[[漫画]]。
作者である野村あきこは、シリーズ最終話となる『いばら姫の円舞曲』を最後に漫画家を引退した。

各話のあらすじ

倫敦館夜想曲

大正10年。女学生の寿神奈は、同級生の与謝野小路瑠璃香の誕生会に弟の乙彦と参加する。会場は、英国建築家によって建てられた広大な洋館「倫敦館」。そこで瑠璃香と従兄・与謝野小路左近の婚約が発表されるが、その裏には複雑な事情が絡み合っていた。後日、瑠璃香の両親が転落死し、殺人事件の噂が広まる中、夫妻が亡くなった夜にショパンの「夜想曲」が聞こえたという証言が浮上する。

登場人物
寿 神奈：主人公の女学生。
寿 乙彦：神奈の義弟。
与謝野小路 瑠璃香：神奈の同級生で旧家のお嬢様。
与謝野小路 左近：瑠璃香の従兄で婚約者。
寺田 壱之介：瑠璃香の家に下宿する音楽学校の生徒。
登代子：与謝野小路家に仕える使用人。

白猫狂想曲

大正11年11月。神奈と乙彦は、乙彦の幼馴染である胡桃沢雪菜を訪ねる。雪菜は祖父を亡くし、遺産相続を巡る親族間の争いに巻き込まれていた。先代の遺言状には「胡桃沢家の全てを知るものに遺産を譲る」と記されており、鍵が同封されていた。遺産のありかを示す鍵を巡り、謎解きが始まる。

登場人物
胡桃沢 雪菜：乙彦の幼馴染。
胡桃沢 長十郎：雪菜の祖父で故人。
清水 国人：胡桃沢家の顧問弁護士。
白夜：胡桃沢家で飼われている白猫。

剣姫鎮魂歌

神奈に見合い話が舞い込む。相手は鎌倉時代から続く御剣神社の神主の息子・剣崎冬吾。乗り気ではない神奈だったが、継母の意向で見合いに臨む。冬吾は無愛想で、神社のしきたりにより、独身では社を継げないため見合いを希望していた。そのしきたりとは、代々伝わる「剣姫の伝説」を恐れてのものだった。

登場人物
剣崎 冬吾：神奈の見合い相手。
剣崎 夏海：冬吾の妹で巫女。

いばら姫の円舞曲

大正12年8月末。神奈は、弁護士の清水に誘われ浅草オペラを鑑賞する。そこで、プリマドンナの御神楽アリサが公演中に誘拐される事件が発生。劇場にはアリサ誘拐の脅迫状が届き、劇場オーナーは代役としてアリサの双子の妹・八重を登場させ、公演を続行する。神奈は事件の真相に疑問を抱き始める。

登場人物
清水 国人：弁護士で、寿姉弟と知り合い。
御神楽 アリサ：オペラのプリマドンナ。
八重：アリサの双子の妹。
沢木 義晴：劇場オーナー。

書誌情報

* 野村あきこ『倫敦館夜想曲』講談社〈講談社コミックスなかよし〉2000年8月2日発売、ISBN 978-4-06-178944-9

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