健康保険法

健康保険法について

健康保険法（けんこうほけんほう）は、日本における公的医療保険制度の核心を成す法律であり、法律名は大正11年法律第70号です。この法律は、労働者及びその被扶養者について、業務上の災害によるものを除いた疾病、負傷、死亡または出産に関する医療保険給付を規定しています。1922年4月22日に公布され、1926年7月1日から施行されています。

構造と内容

健康保険法は複数の章から構成されており、各章は以下のように分かれています：

1. 第1章 総則（第1条 - 第3条）
総則では、健康保険法の基本原則と目的について記述されており、保険制度の意義や目的が示されています。

2. 第2章 保険者
- 第1節 通則（第4条 - 第7条）
- 第2節 全国健康保険協会（第7条の2 - 第7条の42）
- 第3節 健康保険組合（第8条 - 第30条）
ここでは、保険者となる団体の責務や役割が定義されています。この章は、保険制度を実施するための組織体制について詳述されています。

3. 第3章 被保険者
- 第1節 資格（第31条 - 第39条）
- 第2節 標準報酬月額及び標準賞与額（第40条 - 第47条）
- 第3節 届出等（第48条 - 第51条の2）
被保険者についての資格、報酬、及び必要な手続きについて説明されており、加入者の権利や義務が規定されています。

4. 第4章 保険給付
- 各種の保険給付に関する詳細が述べられ、療養の給付、訪問看護、移送費など、具体的な給付内容について触れられています。

5. 第5章 日雇特例被保険者に関する特例
日雇い労働者についての特例が定められており、日雇特例被保険者の資格や給付の取り決めについて説明があります。

6. 第6章 保健事業及び福祉事業
ここでは、保健や福祉に関連する事業についての基本方針が説明されています。

7. 第7章 費用の負担
医療費の負担について規定され、保険制度の持続可能性を確保するための仕組みが紹介されています。

8. 第8章 健康保険組合連合会
健康保険組合の連携と共通の取り組みについて述べられています。

9. 第9章 不服申立て
保険給付に関する不服に対する申し立ての手続きについて詳細が記されています。

10. 第10章 雑則
一般的な規定や他法との関係について触れています。

11. 第11章 罰則
違反行為に対する罰則が明示されています。

被保険者の権利

健康保険法の第61条に基づき、被保険者は第52条に規定されている保険給付を受ける権利を有しています。この権利は譲渡や担保に供すること、差し押さえをすることができないものとされています。

このように、健康保険法は、日本における医療保険制度の根幹を支えており、国民の健康を守るための重要な役割を担っています。

もう一度検索