偽書ゲッターロボ ダークネス

偽書ゲッターロボ ダークネス

『偽書ゲッターロボ ダークネス』は、永井豪と石川賢による原作『ゲッターロボ』をベースに、西川秀明が独自の解釈を加えて描いた漫画作品です。白泉社の『ヤングアニマル嵐』にて連載されました。

概要

本作は、『ゲッターロボ』の名を冠していますが、キャラクター設定や世界観は原作から大きく異なります。例えば、歴代ゲッターチームの紅一点はジャガー号のパイロットであることが多いのに対し、本作ではベアー号のパイロットを務めます。また、作者である西川秀明の過去作『Z MAN』との共通点が見られるなど、他のゲッターロボ作品とは一線を画す作風が特徴です。他のゲッターロボサーガとの関連性は、現在のところ不明です。

連載は当初、『月刊マガジンZ』にて『偽書ゲッターロボDASH』というタイトルで始まりましたが、同誌の休刊により、ストーリーの導入部分のみで終了しました。その後、『ヤングアニマル嵐』にてタイトルを『偽書ゲッターロボ ダークネス』と改め、再開されました。しかし、こちらも「第一部完」として休載に入り、最終的に単行本4巻で完結となりました。

掲載誌が少年漫画誌から青年漫画誌に変更されたことで、『DASH』時代には見られなかった性的描写が多数盛り込まれたのも特徴の一つです。

「ああ…なんて卑しいゲッターなんだ…」というキャッチコピーが、作品の異質な雰囲気を際立たせています。

ストーリー

物語は、ある科学者によって引き起こされた浅間山麓の爆発事件から始まります。この事件によって日本は荒廃し、世界各地ではゲッター線を浴びて異形の怪物と化した人間「イデア」が暴れ回るようになりました。さらに、政府に見捨てられた人々は、「ゲッター線照射障害」によって他の生物や機械と融合してしまいます。

そんな絶望的な状況の中、イデアの襲撃に立ち向かうため、少年・了（リョウ）は、仲間のハヤト、ムサシと共に巨大ロボット・ゲッターロボに乗り込みます。彼らは『GETTER（奪還者）』として、奪われた全てを取り戻すべく、イデアとの戦いに身を投じるのです。

登場人物

GETTER（奪還者）

ゲットマシンとゲッターロボを操縦する3人組のチーム。

了（リョウ）
主人公。イーグル号及びゲッターIのパイロットで、チームのリーダー。野性的な外見で、無鉄砲な性格だが、熱い心と勇気の持ち主。両腕が機械化された半サイボーグで、そのパワーは絶大。アンチ・ゲッター線増幅装置の接合核パーツでもある義腕と、怒りの感情がゲッターロボを漆黒のゲッターへと変貌させる。
ハヤト
ジャガー号及びゲッターIIのパイロット。ビジュアル系の美青年。クールでキザな性格だが、内に秘めた情熱を持つ。脳に「革命の針」が打ち込まれており、高い戦闘能力を発揮するが、暴走の危険性も抱えている。精神安定剤が手放せない。
ムサシ
ベアー号及びゲッターIIIのパイロット。常識人で優しい性格の美少女。了とハヤトの暴走を止める役回り。実は、科学者イデア・イオナスが造り出した生体アンドロイド「血肉の君」であり、その出自ゆえに高い身体能力を持つ。

他スタッフ

早乙女 達人（さおとめ たつひと）
GETTERの司令官。巨大万能空母ゲット・ボマーから、チーム・ゲッターに指示を出す。かつてはゲッターIIIのパイロットとしてイデアと戦っていたが、身体への負担が大きいため、前線を退いた。ムサシの過去と正体を知る人物。
敷島博士（しきしま はかせ）
ゲッターロボの開発者。世界的に有名な科学者で、最強の兵器を造ることを生きがいとするマッドサイエンティスト。

イデア中枢

早乙女 賢（さおとめ けん）
8年前の事件の元凶で、イデア誕生に深く関わったとされる人物。イデア達から「光の創造主」と崇められている。達人の父親。
早乙女 ミチル（さおとめ ミチル）
イデアの司令官クラスの女性。賢の娘で、達人の妹。イデア達から「光の御方様」と崇められている。
早乙女 元気（さおとめ げんき）
イデアの最高幹部と思われる少年。賢の息子で、達人の弟。

イデア

8年前の事件で出現した異形の怪物たち。その正体は、ゲッター線によって変異した人間。欲望に忠実で凶暴な性格を持ち、人間を虐殺する。体のどこかにゲッターIを連想させる紋章がある。

登場イデア

アバドン
エリゴル
バルベリト
ザンギ
ゾブリ
ズジ
アスタルテ
グール・ザザ
アベルト
イオナス

登場メカ

ゲッターロボ
敷島博士が開発した巨大ロボット。3機のゲットマシンが合体することで、様々な形態に変形する。エネルギー源は「アンチ・ゲッター線」。
ゲットマシン
イーグル号
ジャガー号
ベアー号
漆黒のゲッター（GETTER ROBO DARKNESS）
ゲッターIが「アンチ・ゲッター線」を巡らせることで変色した姿。強大な破壊力を持つ。
ゲット・ボマー
チーム・ゲッターが拠点とする万能移動要塞。
スカイ・ホエール
ゲッターロボを回収するための無人回収艇。
ゲット・ブースター
ゲットマシンを輸送するための無人輸送機。
イデアロボ
幹部クラスのイデアが搭乗する巨大ロボット。

本作におけるゲッター線

「ゲッター線」と「アンチゲッター線」の2種類が存在する。ゲッター線によって生まれたイデアは「光のゲッター」、アンチゲッター線で動くゲッターロボは「闇のゲッター」とされている。

書誌情報

西川秀明 『偽書ゲッターロボ ダークネス 始動編』白泉社〈ジェッツコミックス〉、全1巻
西川秀明 『偽書ゲッターロボ ダークネス』白泉社〈ジェッツコミックス〉、全4巻

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