僕が笑うと

テレビドラマ『僕が笑うと』の概要

2019年3月26日に放送された『僕が笑うと』は、カンテレの開局60周年を記念した特別ドラマです。この作品は、戦時中の大阪で孤児たちを引き取り育てた夫婦の物語を描いています。主演の井ノ原快彦が演じる鈴木重三郎と、上戸彩が演じる妻の誠子を中心に展開する感動的なストーリーは、日本の歴史的背景を交えながら、家族の絆や愛情の大切さを訴えかけてきます。

あらすじ

物語は、病床にいる老婦人が孫たちに自身の幼少期の体験を語る形で進行します。彼女は、約70年前に鈴木重三郎と誠子に育てられた孤児の一人です。時は1937年、大阪に住む重三郎と誠子は仲睦まじく幸せな生活を送っていましたが、誠子は「母親になりたい」という強い願望を抱いていました。子供を持てないことに寂しさを感じていた彼女は、重三郎の姉の息子が満州へ行く際の送別会を通じて、さらにその思いが募っていきます。

ある日、孤児院で遊んでいる子供たちの姿を見た誠子は、孤児の引き取りを重三郎に提案します。重三郎は初めは不安を抱きますが、誠子の情熱に動かされ、1人の少年・浩太を引き取り育てることとなります。誠子は浩太との良好な関係を築いていく一方で、初めは不器用だった重三郎も次第に父親としての自覚を持ち始め、浩太とともに成長していきます。

重三郎夫婦は、浩太に兄弟を持たせたいとの思いから、さらなる孤児たち、246・健作・虎之助・トメ子を迎え入れ、1943年には彼らの大家族になりました。享受していた幸福な時間も、太平洋戦争の開戦によって一変します。生活は苦しくなりますが、重三郎と誠子、子供たちは変わらず笑顔を絶やさずに生活を続けます。しかし、戦争の影は次第に彼らの平穏を脅かし、悲劇が訪れます。

キャスト紹介

このドラマには多彩なキャストが揃っています。重三郎役の井ノ原快彦は植物研究者としての役割を全うし、妻の誠子を演じる上戸彩は母親への思いを熱く表現します。さらに、老婦人役の吉行和子の演技も特に印象的で、物語を通じて彼女の視点からの回想が物語の深みを増しています。

他にも、孤児院の運営をする間宮君子役の麻生祐未や、重三郎の助手・吉田史郎役の竜星涼など、多彩なキャストがそれぞれの役を力強く演じています。

制作情報

『僕が笑うと』は脚本に尾崎将也が、演出に三宅喜重が携わっており、音楽は白石めぐみが担当しています。また、時代考証や医療監修、戦争の軍事指導など、多くの専門家が協力し、リアリティを持たせています。

このドラマは、視聴者に深い感動を与え、戦時中の困難な時代における人間の温かさと絆を伝えている作品と言えるでしょう。

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