元徳稲荷神社

元徳稲荷神社の紹介

元徳稲荷神社（げんとくいなりじんじゃ）は、東京都墨田区に位置する歴史ある神社です。この神社は、慶長年間（1596年 - 1615年）に創建されました。創立時の背景には、三河国から江戸に移り住んだ武士、河村徳右衛門があり、彼は古い稲荷の神を伏見稲荷大社から勧請し、自らの屋敷の神として祀りました。

その後、徳川氏が江戸に入府し、江戸幕府が設立される中で、河村徳右衛門は江戸に新たな邸宅を構え、その稲荷社もそこに移されました。この神社は、元来は河村家の屋敷神であったものが、ある出来事をきっかけに一般の人々にも開放されることとなりました。

特に、河村徳右衛門の妻が腫物の病にかかった際、彼女がこの神社で祈願したところ、病が癒えたという伝説が広まりました。この御利益の噂は広がり、やがて元徳稲荷神社は地域の人々からも信仰を集めるようになりました。神社が河村家の手を離れた時、その名は「元徳稲荷神社」として広まったのです。

また、歌舞伎界の著名人、九代目市川団十郎も当神社に祈願し、顔面の腫物が治ったという逸話があります。これにより、元徳稲荷神社は更に多くの参拝者を迎えることとなりました。

神社の運営に関しては、明治時代から縁日が開催され、多くの人々が訪れる場となりましたが、戦後には一時その活動が途絶えることもありました。しかし1973年（昭和48年）には再び縁日が復活し、地域の人々との絆が再築されました。

アクセス

元徳稲荷神社への交通手段としては、東京メトロ半蔵門線の菊川駅から徒歩約6分というアクセスの良さがあります。この利便性は、観光客や信者にとっても大変魅力的です。

日常的な参拝はもちろん、特別な行事や祭りなどでも賑わいを見せる元徳稲荷神社は、今でも地域に根付いた信仰の場所として、多くの人々に親しまれています。歴史的な背景や伝説的な逸話が交錯するこの神社は、訪れる人々にさまざまな意味や体験を与えてくれることでしょう。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

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