元木宏

元木 宏（もとき ひろし）

元木宏は1947年2月16日に生まれ、フジ・メディア・テクノロジー（旧八峯テレビ）で活躍していた撮影技師です。彼は特徴的な帽子を常に身につけており、それが彼のトレードマークとなっていますが、メインカメラマンであったため、画面に登場することは限られ、主に後ろ姿での姿が印象的です。元木はウーロンハイを好んで飲む愛好者でも知られています。

彼が使用していた機材は、主にソニーのENGテレビカメラであり、レンズにはキヤノンのJ13を重用し、さらにワイドコンバーターを併用していました。特に彼は、標準ズームレンズにワイドコンバーターを組み合わせたスタイルで、ズームインやクローズアップを巧みに用いるカメラワークが特徴的でした。そのため、一部では「元木仕様」と称されるカスタマイズされたレンズの存在が噂されるほどです。ただし、彼がフジノン製レンズを使うことはほとんどありませんでした。

元木が使用していたキヤノンのJ13は他ではあまり見られない特異なものであり、バラエティ番組の撮影には特にSTプランニングに携わることが多かったと言われています。ここで彼は、カメラをIKEGAMI HL-55にソニーのVTR（BVV-5）の組み合わせで使用し、レンズはIKEGAMIマウントのJ13、J18、J8を用いていました。STプランニングが制作する番組は八峯テレビからの依頼であり、彼の独自のスタイルが多くの番組に影響を与えてきました。

元木はテリー伊藤をはじめとする業界関係者から絶大な信頼を寄せられていました。そのカメラワークはスウィッシュパンやフォーカスの正確さ、演者の表情を捉える技術の高さで知られています。通常は下から操作するカメラマンが多い中、彼は独特なスタイルでレンズ胴鏡を支えながら操作するため、一目置かれました。

2013年には八峯テレビを定年退職し、その後も様々な場面でカメラマンとしての姿を見せました。2014年4月16日に放送された『1億人の大質問!?笑ってコラえて』の「名前の旅」では、彼の業績を振り返り、テリー伊藤から「信頼のおけるカメラマン」として紹介されました。さらに、同年10月31日に放送された『たけしのニッポンのミカタ!』では、特集コーナーにカメラマンとして登場し、彼のスタイルが紹介されました。

彼が手がけた代表的な作品には、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』や『ザ!鉄腕!DASH!!』などがあり、これらの番組は多くの視聴者に愛されました。元木はただの撮影技師にとどまらず、テレビ番組製作において重要な役割を果たしてきたのです。その功績は、今なお多くの制作スタッフや視聴者に評価され続けています。彼の影響を受けた後進たちが、今後どのように彼のスタイルを継承していくのかにも期待が寄せられています。

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