元橋一之

元橋 一之（もとはし かずゆき）とは

元橋一之は、1961年に生まれた日本の経済学者であり、経済産業官僚としても知られています。彼は大阪府出身で、東京大学の工学部土木工学科を1984年に卒業後、同大学の大学院で修士課程を修了しました。元橋氏は1986年より経済産業省（当時は通商産業省）に入省し、以降、様々な部署で役職を歴任してきました。特に、彼のキャリアには、産業政策局や資源エネルギー庁などの重要な役割が含まれています。

キャリアの歩み

元橋氏は1987年に通商産業省の産業政策局企業行動課で係長としてそのキャリアをスタートさせ、その後、情報管理課や公益事業部技術課での役職を経て、1993年にコーネル大学の経営大学院でMBAを取得しました。この国際的な視点は、彼の後の研究活動や政策提言に大きな影響を与えています。

その後も、彼は経済協力開発機構（OECD）でエコノミストとして働き、国内外での経済政策に関する分析を行いました。また、経済産業省内では調査統計部の統計解析課課長補佐や通商政策局の通商情報広報官などの要職に就き、特に経済データの分析とその利用に注力しました。

元橋氏は2000年に「技術革新と技術移転に関する経済学的研究 OECD諸国の比較分析」により、慶應義塾大学から博士（商学）の学位を取得しました。これ以降、経済産業省の大臣官房調査統計部総括グループ長として、データの収集・分析に基づく政策提言を行い、経済産業研究所の客員研究員としても活動しています。

2002年には、一橋大学のイノベーション研究センターの助教授に就任したのをはじめ、東京大学の先端科学技術研究センターや工学系研究科の教授職に就くなど、学問と実務の両面で多岐にわたる活動を展開しています。最近では、華東師範大学の客員教授や、日本の文部科学省の科学技術学術政策研究所での主任研究官としても活躍しています。

研究と著作

元橋氏の専門領域は、計量経済学、産業組織論、技術経営論です。これらの分野において、彼は多数の著書や論文を発表しており、特に技術革新をテーマにした著作が著名です。主な著書には『ITイノベーションの実証分析 日本経済のパフォーマンスはどう変化したか』や『グローバル経営戦略』などがあります。これらの著作は、企業の経営戦略や日本経済の競争力を考察する上で重要な参考文献となっています。

また、共著や編著として、『アライアンスマネジメント 米国の実践論と日本企業への適用』なども手掛けています。これらの著書を通じて、彼は日本国内外のビジネス環境の変化やグローバルな競争の中での戦略づくりの重要性を訴えています。

元橋一之は、学界と実務界をつなぐ架け橋となり、経済政策や企業戦略に対する深い理解を促進しています。彼の貢献は、今後の経済発展においても重要であることは間違いありません。

もう一度検索