元町貝塚

元町貝塚は、神奈川県横浜市中区山手町のアメリカ山公園地下に存在する、縄文時代中期に形成された貝塚です。横浜市の中心部を流れる大岡川低地の南に位置する台地、アメリカ山公園一帯がその範囲となっており、その歴史的価値から横浜市指定史跡に指定されています。

その存在は古くから知られていましたが、アメリカ山公園の整備工事に先立ち、2006年1月27日から3月31日にかけて、横浜市ふるさと歴史財団の埋蔵文化財センターによって発掘調査が実施されました。この調査によって、従来知られていた貝層とは異なる、新たな貝層が発見され、貝塚の範囲や形成過程に関する新たな知見が得られました。

この発掘調査の結果などを踏まえ、元町貝塚は2013年11月15日に横浜市指定史跡となりました。現在、公園内には小さな説明プレートが設置されており、訪れる人々に貝塚の概要や歴史的背景を伝えています。

参考文献

塚田明治 1974年「横浜市中区元町貝塚の現状調査」『横須賀考古学会年報』17号
横浜市教育委員会 2004年『横浜市文化財地図』
埋蔵文化財センター 2008年『中区No.2遺跡 (元町貝塚) 本発掘調査報告-アメリカ山公園整備工事に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書-』
神奈川県立歴史博物館 2008年『神奈川県貝塚地名表』
埋蔵文化財センター 2010年『埋文よこはま』21号

関連項目

アメリカ山公園
* 神奈川県貝塚の一覧

元町貝塚は、横浜の歴史を物語る貴重な遺跡であるとともに、市民の憩いの場であるアメリカ山公園に隣接していることから、歴史と自然に触れられるスポットとして親しまれています。この貝塚は、縄文時代の人々の生活や文化を今に伝える貴重な遺産であり、今後の調査や研究によって、さらなる発見が期待されています。

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