元町高架通商店街

元町高架通商店街（モトコー） - 歴史と変貌を遂げる神戸の個性派商店街

神戸元町駅と神戸駅間、JR神戸線高架下に広がる元町高架通商店街。通称「モトコー」として親しまれるこの商店街は、戦後の闇市をルーツに持ち、独特の雰囲気と歴史を誇ります。近年では大規模な再整備工事が行われ、新たな姿を見せています。

商店街の構成と歴史

元町高架通商店街は、東から西へ1街区から7街区まで分かれています。かつては「モトコー1番街」から「7番街」と呼ばれていましたが、2020年代の再整備に伴い名称も変更されました。各区画には個性豊かな店舗が立ち並び、古着やアクセサリー、レコード、レトロな玩具など、多様な商品を取り揃えています。

特に1、2番街は古着やアクセサリー店が多く、3番街以降はレトロな雑貨やコレクターアイテムを扱う店が目立ちます。2番街にはかつて文化交流拠点「プラネットEartH」がありましたが、再整備のため2023年6月に閉鎖されました。

商店街の成立時期は明確な資料が不足していますが、戦後の闇市「三宮自由市場」の西部店舗群が、1946年12月に「元町高架下商業協同組合」、翌年「元町高架通商業協同組合」へと組織化され、現在の商店街へと発展したという説が有力です。神戸市街地の高架化は1934年に行われており、その時点で商店スペースが存在していた可能性も高いと考えられます。

阪神淡路大震災と復興

阪神・淡路大震災では、神戸の多くの商店街が大きな被害を受けました。しかし、モトコーは比較的被害が軽微でした。これは、店舗面積が小さく壁の占める割合が多かったこと、そして鉄道高架を支える地盤が強固だったことなどが要因と考えられます。震災後、いち早く営業を再開したモトコーは、復興期の神戸を支える存在となりました。

再整備と新たな姿

老朽化や防火・防犯上の課題から、2018年に大規模な再整備工事が開始されました。JR西日本による高架下の耐震補強工事も兼ねており、各店舗は一時的に移転しました。2022年10月1日には、3街区と7街区の一部で新築建物の使用が始まり、新たなモトコーの姿が徐々に明らかになりつつあります。鉄骨造2階建ての建物が誕生し、より安全で快適な商店街空間が提供される予定です。

モトコーを舞台にした作品

モトコーは、その独特の雰囲気から、数々の作品にも登場しています。NHKのテレビドラマ「匂いガラス」では「神戸のガード下」として、また片岡喜彦の写真集「高架下商店街と人びと」や木村紺の漫画「神戸在住」でも描かれています。

今後の展望

再整備を経て、モトコーは新たな魅力を放ち続けています。歴史と個性を融合させた独特の空間は、多くの来訪者を引きつけ、神戸の街の活気ある象徴として存在感を示しています。今後の更なる発展にも期待が高まります。

もう一度検索