元興 (定安)

元興（げんこう）は、10世紀後半に定安国において烏玄明（う げんめい）が使用したとされる元号です。具体的には976年から使用されたと考えられていますが、正確な終了年は史料が不足しているため、判明していません。

史料における元興

元興に関する記述は、『宋史』巻491 列伝第250 外国7 定安国にわずかに見られます。この史料には、「元興六年十月日，定安国王臣玄明表上聖皇帝前」という記述があり、元興という元号が実際に使用されていたことを示唆しています。しかし、これ以上の詳細な情報は記載されておらず、元興の具体的な期間や政治的な背景については不明な点が多いのが現状です。

研究の現状

渤海史や定安国史の研究者によって、元興に関する研究が行われていますが、史料の制約から、その全貌を明らかにすることは困難です。金毓黻の『渤海国記』、王承礼の『渤海簡史』、李殿福・孫玉良の『渤海国』、朱国忱・魏国忠の『渤海史稿』などの文献において、元興に関する記述が参照されていますが、いずれも断片的な情報にとどまっています。

関連項目

元号一覧
他王朝の元興

元興は、定安国の歴史を研究する上で重要な手がかりとなる元号の一つですが、今後の史料発見や研究の進展によって、その詳細が明らかになることが期待されます。特に、周辺地域の史料や考古学的調査によって、新たな情報が得られる可能性があります。

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