光岡・ゼロワン

ゼロワン - 光岡自動車のスポーツカー

光岡自動車がかつて手がけたゼロワンは、1994年に発売された特色のあるスポーツカーです。この車は光岡の生産車の第2号として、組立車として認可されました。ゼロワンの開発は、当時光岡が生産していたラセードからの技術的知見を活用し、フレームから自社での製造を目指すことで始まりました。その際、バーキン・セブンをサンプルカーとして購入し、設計の指針としました。

ゼロワンのパワートレインにはユーノス・ロードスターのエンジンが使用され、初期モデルには1.6Lエンジンが搭載されていました。発売当初、型式認証が受理されなかったため、この時点でのモデルは「組立車」として扱われました。しかし、1996年には型式審査を通過し、新たに1.8Lエンジンを搭載したモデルが誕生します。これにより光岡自動車は10番目の国産乗用車メーカーとして公式に認可されました。

ゼロワンのデザインは、ロータス・セブンにインスパイアを受けたものであり、ロングノーズにショートデッキのフルオープン2シーター構造を採用しています。スタイリングは流れるようなラインが特徴で、サイズは本家よりも大きめに設計されています。サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーン式を採用し、衝突時の安全性にも配慮したクラッシャブル構造が施されています。

また、ゼロワンはオートマチックトランスミッションを搭載したモデルも用意されており、エアコンも装備可能です。これらの機能は、当時の自動車市場のニーズに応える形で開発されています。モデルラインナップは、基本的なグレードと1940年代のスポーツカーを思わせるデザインを持つクラシックタイプFの2種類が存在しました。後者はFRP製のカウルを装着し、独特の美しさを持っています。

初代 MS01型の生産期間

ゼロワンは、1994年1月に発売され、その後、以下のような進化を遂げました：

• - 1994年1月 - ゼロワンが市場に登場し、1.6LのB6-ZE型エンジンを搭載。
• - 1996年4月 - 運輸省から型式認証を取得し、光岡自動車が10番目の国産乗用車メーカーとして認められる。
• - 1996年5月 - エンジンをB6-ZE型からBP-ZE型に変更、排気量を1.6Lから1.8Lへと引き上げ。
• - 1996年6月 - クラシックタイプFがラインナップに追加。
• - 1997年度 - クラシックタイプFがグッドデザイン賞を受賞。
• - 1999年 - 型式がGF-MS01に変更される。
• - 2000年7月 - 生産が終了、総生産台数は約350台となった。挫折もあったものの、ゼロワンは光岡自動車にとって特別なモデルとして位置づけられています。

この車は、スポーツカー市場において光岡自動車の象徴的存在となり、今でも多くの自動車ファンに愛されています。

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