光禅寺 (氷見市)

光禪寺

光禪寺（こうぜんじ）は、富山県氷見市に位置する曹洞宗の寺で、その山号は海慧山（かいけいざん）です。1327年（嘉暦元年）に開山され、寺の歴史は700年以上に及びます。この寺は、開山の明峰素哲が大本山總持寺の開山者である瑩山紹瑾の弟子であることから、禅の伝統を受け継いでいます。

沿革

光禪寺の歴史は、開山から始まります。1632年（寛永9年）、加賀藩第3代藩主前田利常が参拝し、前田利家の肖像画を寄進しました。この出来事により、寺は加賀藩の祈願所として認められました。

再興の物語

約320年後、月澗義光（1653年–1702年）が第19代住職として寺の再建に尽力しました。月澗は、荒廃した寺院の再建資金を集めるため全国を旅し、陸奥国で出会った商人坂井源八に感銘を受けました。月澗は、自らの資金を源八の菩提寺再建に寄付し、その後の約束として、佐井から送られた材木を使って寺を1701年（元禄14年）に再興させることに成功しました。

その材木は、日本海での嵐にもかかわらず、漁民たちの協力により無事光禪寺に届きました。月澗は再建された寺を見届けたかのように、1702年に亡くなりました。源八もまた、氷見で生涯を過ごしました。

昭和・平成期の復興

光禪寺は1938年9月6日の氷見町大火で全焼しましたが、その後は復興に努め、2008年に寺門が再建されました。この復興作業は、地域の多くの人々の支援によって成し遂げられました。

唐島と神事

光禪寺の飛地境内である唐島は、氷見漁港からおよそ500メートル東方にあり、全島が当寺の境内となっています。島には弁天堂があり、毎年5月上旬には唐島大祭が行われ、海上安全と大漁を祈願します。この島は県指定の天然記念物であり、一般の上陸は禁止されています。

文化財と人物

光禪寺には重要な文化財も存在します。絹本著色前田利家画像と木造地蔵菩薩立像はいずれも氷見市教育委員会により指定されています。また、光禪寺は著名な漫画家藤子不二雄Ⓐの生家でもあります。藤子Ⓐは寺の第49代住職の子息であり、彼の作品は現在も地域で愛されています。

毎年5月5日のまんがワールドまつりでは、藤子Ⓐの作品にちなんだイベントが開催されることもあります。境内内には藤子Ⓐの代表作のキャラクターを象った石像が設置されており、氷見市が観光資源として位置付けているスポットとなっています。

アクセス

光禪寺へのアクセスは、JR西日本氷見線の氷見駅が最寄りで、駅から北西へ徒歩約15分です。歴史的な寺院と文化的な魅力で満ちた光禪寺は、おすすめの訪問先です。

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